その自信何なん?

カナダ/カナダ人

日本人は本当に謙虚な人が多い。
もっとアピールしていいと思う。
でも「能ある鷹は爪を隠す」日本人の気質は
とてもカッコいいとも思う。

うちの2軒となりにあるキックボクシングジムに通っている。
といっても、キックボクシングのスキルを身に付けて
リングに上がるというような類のものではない。
ジムにはサンドバックがざっと40本くらい、
4列に整然と並んでいる。
ノリのいいミュージックがかかる中、
インストラクターの指示に合わせて、
パンチやらキックやらを繰り出し、
合間に腕立て伏せや腹筋などのフロアエクササイズが組み入れられる。
要はエアロビクスエクササイズの一種だ。

ジム通いを継続するには立地が大きく左右する。
こんな贅沢な環境(2軒となり)なのに、
会員にならない手はない。
ちょうどボクシング系のジムを探していた時に
このジムがオープンし、秒速で会員になった。

ある日、メンバーのひとりがクラス開始前に
その日のインストラクターと何やら話をしていた。
そしてその話し合いの行方に、私は自分の目を疑った。
なんとまあ、その女性がクラスをリードするような気配になっていったのだ。

マジで??
この女性、つい最近になってクラスで見かけるようになった人で、
パンチは猫パンチ、キックも完全素人だったのを知っている。
持久力が飛びぬけてあるようにも見えなかった。
外見で判断してはいけないが、
運動とは程遠いタイプとお見受けした。

会員がインストラクターになるケースはよくあることだ。
エアロビクスのインストラクターの中には、
ハマったのが“ジムの会員だった時”という人も多い。
でも、インストラクターになるにはそれなりの時間を費やす必要がある。
「わたしにもできそう」と思って、すぐその日に指導に立てるわけじゃない。
ところが、この人やってしまった。
「今日は彼女がウォーミングアップパートを担当します」と
その日の担当インストラクターから紹介されると、
彼女のリードでウォーミングアップが始まった。

自分から売り込むくらいなのだから、
もしかしたら他の分野でインストラクターの経験があるのかもしれない
と気を取り直してみた。実際に、
今でこそマーシャルアーツのバックグラウンドを持つ
インストラクターが増えたが、
オープン当初は、エアロビクスのインストラクターが指導していた。
エアロビクスエクササイズで重要な
「キュー出し」ができればさほど問題にはならない。
(もちろんパンチやキックが本物の方がモチベーションが上がるが…)

が…ただの素人だった。
ウォーミングアップだけというので我慢したが、
もし1時間のクラスがすべて彼女になっていたら、
気分が悪くなって早退に追い込まれていたかもしれない。
ど素人にリードを取らせてしまうこのジムもどうかと思うが、
(お金を払っている会員に失礼すぎないか?)
素人なのに、「クラスのリードできます!やらせて!!」
と売り込める、その意味不明の自信は何なん? 
どこをどうポジティブに考えたら、そんな自信が湧き出てくるのだろう…
これもカナダあるあるだろうか?

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