トロントの治安

トロント

カナダは比較的安全な国の一つだ。
場所にもよるのだろうが、今まで私が住んだ地域では、
夜一人歩きをしていても危険を感じたことはない。
冬の真っ暗闇の出勤も、夜遅くの帰宅もあった。
(そんな中でたった一人での、
カフェのオープンやクローズも経験した)
幸運だったのかもしれない。

確かに、怪しい地域はある。
ここにはあまり住みたくないかも…と思える場所に出会うことも。
ホームレスの人も多く見かけるし、
よく分からないことを喚いている人もいる。
ただ、大声で怒鳴られてびっくりすることはあっても、
危害を加えられそうな危険までは、あまり感じない。

そんな中、トロントでは銃がらみの事件が増加しているらしい。
日本領事館が注意喚起のメールを流していたのも
実は知らなかった。
在留届けは出してあるものの、
私には領事館からのこういったメールが一切届かない…
いつも友人が情報をくれる。
領事館の注意喚起の文面は結構強めで少しびっくりした。

改めて、ニュースサイトや警察のアナリティクスなどを
自分でもチェックしてみた。
確かに今年上半期だけですでに去年を上回っている。
ただ、2019年のピークから年々減少傾向だったこともあり、
この上半期の上昇が目立つ結果になっている。

一時期、ごくごく普通の公園などで発砲があったりして、
”銃撃が急増”とざわついた年があったことを思い出す。
恐らくそれが2019年頃だ。
その時に比べると、正直なところ
あまり事件を身近に感じていなかった。

そういえば春先に近所でも銃撃があった。
散歩でよく通る場所で、聞いた時は一瞬ひるんだが、
事件が起こったのは深夜。
しかも賭け事のお金のもめ事が原因だった。
こういったターゲットが決まっているケースが多くを占める
という認識になっていることも否めない。

ただ、怖いのは流れ弾や人間違いなどの巻き添えだ。
でもそんなのどうすればいい?
予測なんかできないし、
トロントの最高の季節である夏に、
外出を控えることなんてできない。
夏に活動しなかったら、いつできる?って話だ。

こうした事件で使用される拳銃の85-90%が
アメリカから入ってきているらしい。迷惑な…
更には、銃を手にする若者が低年齢化している (14,15歳)のも問題だ。
私がトロントに来た頃、
銃と言えばギャングの抗争が多いと聞いていた。
そのギャングたちのリクルートが
より若い年齢層にも広がっていると考えられているようだ。

正直なところ、治安が悪化しているという印象はない。
日常生活はいつも通りだし、
日が長い夏を皆存分に楽しんでいる。
私も同じだ。
自分では防ぎようもないことに神経をすり減らしても仕方ない。

ただ、お酒はあまり飲めないし、
踊らないし、早く寝たいし。
おかげで夜の遊びとは元々縁がないことが、
少なからず身を守ることに繋がっているかもしれない…



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