予定は未定 ①

文化の違い

私が思うカナダ人の気質は、
「果てしなくおおらか」で「驚くほど忘れっぽい」だ。
カナダに来た当初、
「約束は確約じゃないから気を付けて」と教えられた。
友人と出かけるなどの約束をした場合、
当日まで執拗に確認を取り続けないと
他の予定が入ってしまうらしい。

ウソのような本当の話で、先約は必ずしも優先されない。
途中でもっと魅力的な誘いがあれば、あっさりと乗り換える。
約束当日になって「何時に集合する?」と電話をすると、
「〇〇に行くから無理だわ」と悪びれることなく言われてしまう。

私の常識からすれば先約が優先だ。
どうしても後からのイベントの方が重要な場合は、
先約のリスケジュールを試みるだろう。
しかしカナダ人の予定変更はあくまでも自由意志だ。
必ずしも相手にお伺いを立てる必要はないらしい。

そしてびっくりするほど忘れっぽい。
自分でした約束を覚えていない。
今までで私が遭遇した最強の事例は結婚披露宴のすっぽかし。
私たちのテーブルの出席者が1人現れなかった。
仲間の1人が心配して「今どこ?」と電話をすると、
「今? 部屋の壁を塗り替えてる~♬」とルンルンな返事が返ってきた。

さすがにこれには「信じられん…」
という顔をしている人もいたが、
笑い飛ばしておしまいだ。大した問題にはならない。
(ちなみにその人は、その後慌てて駆けつけた。
壁を塗ってた完全リラックスモードから、
短時間で“披露宴”に駆けつけられるのもある意味スゴイ)

これは仕事にも当てはまる。
例えば何か家の中に取り付けるための工事を業者に頼むとする。
しかし1日中待っても現れない。会社へ確認の電話をすると、
「就業時間を過ぎたので担当は帰宅しました」と平然と言われる。
その日の予約分を処理せずとも、就業時間になれば帰ってしまうのだ。
首を長くして待っているお客さんへの連絡もなしに…
この果たされなかった約束(予約)は一体どこに回されるのか?
続きは次回に。

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