気配りのすすめ

思い出し笑い。
今朝起きがけに、昨夜の出来事がふと蘇ってきて
ひとりで笑ってしまった。

昨日は、旦那も私も仕事で家に軟禁状態。
お互いに外の空気を吸いたくて
小雨が降る中いつものパブへ向かった。
ちょうどブルージェイズの試合が始まる。
家でのストリーミングじゃなくて、
でっかいスクリーンで野球観戦をしよう!と
出かけて行ったのだが…

パブではライブバンドが演奏中。
大音量すぎて若干音が割れている。
安らぎを求めていた私たちは、少し躊躇した。
店を変えるべきか?
人気があるバンドの場合は
店内が埋まっていることが多いのだが、
カウンター以外のテーブルはほとんど空いていた。
私たちはでっかいスクリーンが見える
ソファ席に陣取り
予定どおりブルージェイズ戦を観戦することに。

やかましかった(失礼)演奏が終わり、
平穏が訪れたのもつかの間、
次のバンドメンバーが到着し始めた。
しかも、スクリーンの前のテーブルを陣取り、
見るからに70~80年代のバンドンマンの恰好をした
男性は座りもせず突っ立ったまま。
完全に私たちの視界を遮っている。

私たちは、少し大げさに頭を動かして
「見えないんですけど」アピールをするのだが、
まったく気づかない。
他のメンバーが来ては立ち話をし、
私たちの前にはベルリンの壁もどき立ちはだかる。
しばらくたって一人のメンバーが私たちに気づき
「Sorry」と言って立ち位置を変えてくれたのだが、
他のメンバーには助言しない。

なんだそれ?

普通、気づいたら他の人にも教えないか?

いつもなら、短気な旦那が声を上げるのだが、
(これが結構攻撃的な物言いに聞こえるので
私はいつもドキドキ)
めずらしく大人しい。
そしてやっとかけた言葉は
「Please have a seat.」
言葉もそうだが、声のトーンもかなりやわらかい。
返ってきた言葉は、

「I’m a busy man」

まだ気づかない…

そして「座ってる時間が俺にあると思うかい?」
と笑いながら返してきた。
「でも、勧めてくれて嬉しいよ。ありがとう」
感謝までされた。

演奏の準備で行ったり来たり。
再びスクリーンの前に戻ってきて、
私たちの視界を見事に遮ってくれる。
今度はスクリーンに背を向けて立っていたせいか、
彼の視界に頭を振り続ける私たちが
ようやく目に入ったようで、

「もしかして、席を勧めてくれたのは
スクリーンが見えないからか?」

ビンゴ! 

旦那との会話がけんか腰にならずに
笑いに包まれたのはよかったが、
気づくのおっせぇよ!

公共の場では特に
周りへの気配りを忘れずに…

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