Me Me Me星人

周りには自己主張が強い人がたくさんいる。
最近はそんなに驚かなくなった。
大抵は”でた~!カナダあるある”で終わる。
こちらで生きていくうえで、
”見習いたいな”と思う主張もあれば、
”それはただの自己中だろ”という主張もある。

この自己中にも、いい加減慣れてきてはいるが
やはり私にとっては理解しがたいし、
1ミリの遠慮もない強引な主張に
しばしば呆れてしまう。

久しぶりにそんなシチュエーションに遭遇した。
夏になると私たちはビーチバレーに参戦する。
9時過ぎに、のこのこビーチに顔を出しても
プレーを楽しむことができるのは、
毎週末、朝6時前から
コートを取ってくれる友人たちのおかげだ。

多くの人が参加している時は特に、
連続してプレーしないことがマナーになる。
誰もプレーしておらずコートが空いていれば
続けてプレーしてももちろん構わない。
そこは、やはり周りへの気遣いと
空気を読む必要があると言えるだろう。

先週は4つのコートが確保されていたこともあって、
かなり余裕をもってプレーできる状態だった。
やる気満々のおじさんが1人おり、
常にプレーをしたがっていた。
1つのゲームが終わると「次、誰がプレーする?」と
自分とプレーしてくれる人をすぐに募る。
この自己主張はまったくもって問題ない。
コートも空いているし、
プレーしたければ連続でプレーしても構わない。

ただ、割り込んでくるのがいただけない。
こちらが「よしこの4人でプレーしよう!」と
話がまとまりかけているところに割って入る。
そうなると誰かが押し出される。
そしてそんな状況になると
押し出されるのは決まって弱い女の子。
控え目な日本人女子は、ついつい譲ってしまう。
「あ、どうぞどうぞ」と。

ここで、
「私、プレーしたい」と強く出られない悲しさよ…

この方、そのあともずっとマイペース。
もともと私の友人と
釣りをする約束をしていたらしいのだが、
バレーの途中で、
「よし、釣りに行くぞ!」
「えっ、今から?」
「そうだよ」
「もうバレーはしないの?」
「いやまたプレーしに戻ってくる」
そんな会話が聞こえてきた。

友人は少しプレーをしてエンジンがかかってきたところで、
続けてバレーをしたそうだったが、
そんなことはお構いなし。
「俺は今、釣りがしたい」オーラ全開。
2人のお供を引き連れて釣りに出かけて行った。

釣りからもどってくると、
またまた連続でプレーをしたがる。
帰る時間が迫っているようで、
それまでに自分の欲求を満たしたい。
「はい次。はい次。プレー、プレー、プレー」

それだけの体力があることはすばらしいが、
あなたじゃない人とプレーしたい人にとっては
ちょっとした迷惑。
人のことは言えないが、
予期できないプレーをする人とのゲームは
正直なところ疲れる。

これは本当に面白いところだ。
自分たちよりスキルが上の人たちとのプレーも
もちろん予期できないことが多いのだが、
それはきちんとしたリズムがあってのことなので
「くぅっっっ、やられた~」というお手上げ感で
自分たちのふがいなさにガッカリはするが、
変なストレスは感じない。

しかしリズムがバラバラで、
いつどこに飛んでくるかわからない相手とのゲームは
疲れるだけであまり楽しめない。
このおじさんは、こっちのタイプ。
たまたま手を出したら跳ね返って、
ちょうどいいところにボールが落ちて得点ゲット。
これ一番やる気をなくす…

久々に見たこのMe Me Me!星人。
自分の欲求をすべて満たして
すっきした顔で帰っていった。恐るべし。

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