乗務員交代

文化の違い

バス停でもないところに突然バスを止め、
乗客に何も言わずに運転手が降りていく。
向かう先にあるのはコーヒーショップ。
長時間バスを運転していれば、
トイレに行きたくなることだってあるだろう。
終点まで待てない緊急事態があってもおかしくはない。
ところが帰って来る運転手の手にはコーヒーが。
目的はそれかい!

バスの運転手が途中でコーヒーを買いに行くというのは
カナダあるあるだ。
就業規則のグレーゾーンでありながら
黙認されていることなのか、
そもそもカナダ的に問題とされないことなのかは
正直よく分からない。

それはそうと、もう一つ驚いたことがある。
乗務員交替のタイミングだ。
私が利用するバス路線は、
始発のバス停から終点の駅までの
ちょうど中間あたりにバスの営業所がある。
そのせいで、その中間点で乗務員の交代が行われる。

渋滞に左右されるバスの運行時間。
そもそも時刻表も存在しない。
次の運転手が、そのバス停で待っているのはごくごく稀で、
大抵は誰もスタンバっていない。
しかし自分のシフトを終えた運転手にとって
そんなことは何の関係もないらしい。
乗客へのアナウンスが一切ないのはおなじみのこと。
とっととバスを降りて消えてしまう。

もし、次の人がシフトを忘れていたりしたらどうするつもりなのか?
最低でも「次の運転手の到着を待ってから」持ち場を去るべきではないのか?
日本人としてはモヤモヤが晴れない。
だが気にする乗客はほぼいない…

一人ソワソワしながら営業所がある方向に目を向けるが、
こちらに向かってくる運転手らしき人影は見えない。
都合のいいことに、交差点の角にはスターバックスがある。
そこを見つめていると、“お約束通り” コーヒーを持った運転手が現れる。
停車しているバスが目に入っても、彼らが動揺することはない。
ゆっくりと歩を進め、無言で運転席につくと
何事もなかったようにバスを発進させる。
この間、後続のバス数台に追い抜かれることもしばしばだ。

どのバスが乗務員交替のあるバスなのか、乗る前に分かれば避けられるが、
時刻表もないのだから分からない。
乗客を送り届けた後にバスを「回送」にして営業所へ戻すのではなく、
営業所のある所で乗務員を交替させる。
このアイデアは一見合理的だが、あくまでも会社目線…

日本のお客様目線に立ったサービスって本当に素晴らしい!!

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