先日修理を呼んだ。
うちには、旦那の業務で使用する
大きなプリンターがあるのだが、
もうずいぶん長いこと使っていない。
型もそうとう古いので、
そろそろお払い箱にすることも考えている。
今までも何度か調子が悪くなったことはあり、
修理をしてもらったことがあるが、
修理できる人もなかなかいないらしい。
どういうツテをたどったのかは知らないが、
旦那は一人のスペシャリストを見つけた。
その方に2回くらいお世話になっている。
ところが、今回は何度連絡をしても梨のつぶて。
電話番号が変わってしまったのか、
はたまた私たちが嫌われたのか…
そんなこんなでプリンターは
昨年からずっと放置されてきた。
そして先日再び連絡を取ってみると、
留守電を残した数分後に返事が返ってきた。
「〇〇日に部品を持って行くよ」と。
ありがたいことだが、
じゃ、今までの全無視は何だったのか?
まぁ、そんなツッコミは置いておいて。
当日「あと10分くらいで着く」と連絡が入ってから、
ずいぶん経つのに一向に姿を現さない。
やっぱり来ないんじゃ?という不安がよぎる。
しばらくして修理人が到着。
私からすると結構無神経に軽口をたたく旦那だが、
過去のことを蒸し返さないように
彼なりに気を使っているのがひしひしと伝わってきた。
この人以外に修理を頼める人がいないのだから
修理人の気分を害してはならない。
”口は禍の元”である。
このプリンターは仕事用なのだが、
なぜかうちのリビングに陣取っている。
リビングで仕事をする私は
入り口に背を向けて座っており、
その私の耳にガラガラと
キャリーケースを引いてくる音が聞こえてきた。
”あぁ、床掃除だな”と私の脳が反応する。
「靴は脱いでください」と言えば、
皆素直に脱いでくれるが、
キャリーケースはそのまま引きずられるのがオチだ。
旦那に案内されて部屋に一緒に入ってきた修理人は、
その時キャリーケースを持ち込まなかった。
そして、旦那からプリンターの状態の説明を受け
いざ仕事に取り掛かることに。
すると持参したキッチンペーパーを床に敷き詰め、
自分のキャリーケースを抱えて持ってくると
その上に置いた。
拍手喝采ものである!
こんな気配りをカナダで目にしたのは
初めてかもしれない。
(前回の修理の時はどうっだったっけ?
あまり気にしていなかったのか覚えていない。)
そうそう、コレよ。
この、人を不快にさせない気配り。
”ガン無視”という非礼に抱いていた不信感が
一気に薄まっていく。
人間とは単純なものである。
文化の違いは大きい。
衛生感覚の違う人たちには
理解できないことかもしれない。
そんなことにキッチンペーパ―を使うことに
逆に苛立ちを覚える人もいるいるだろう。
(確かにそこは再考の余地がある)
しかし、衛生感覚が同じだったことに
私は何よりもうれしさと喜びを感じたのだ。
気配り

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