無賃乗車

トロントの公共交通機関の1つにストリートカーがある。
昔はバス同様、運転席の横に運賃箱があったが、
電子カード導入と共に、
車両は運転席が完全に隔離された作りになり
運賃箱が無くなった。
もちろん電子カードを持っていれば、乗車時にタップすればいいのだが
カードを持っていない人は一体どうすれば?

車内に2つくらい四角い物体が設置されていて、
そこで運賃を支払い、
トランスファーと呼ばれるレシートを取ることになる。

先日、ちょっと出かける時にストリートカーに乗ることになった。
直前で電子カードの残金がほぼないことに気付き、
慌てて5ドル札を握りしめ家を出た。運賃は$3.35。
ストリートカーに乗り込み四角い物体を目指す。

20秒は眺めただろうか…
どこにもお札の挿入口を見つけられない。
バスに日本のような両替機がないことは知っている。
(小銭なしで乗ろうものなら、他の乗客に
「両替してくれませんか?」と聞いて回ることになる。
そんな光景を昔はよく見たものだ)

「券売機なら、おつりが出る」と
日本的な発想でいたのが甘かった。

券売機の画面には、使用できるコインの種類が表示されていた。
$2 $1 ¢25 ¢10 ¢5
ただでさえ小銭を持ちたがらないカナダ人。
意図せずバスやストリートカーに飛び乗った時、
一体どれだけの人が、
ピッタリ$3.35の小銭を持っているというのか…

たとえ表示されているコインを投入しても、
端数は切り捨てご免。おつりは出ない。

このシステムはチップ文化の影響か?
それともカナダ人が寛大すぎるのか?

$2コインを2枚入れて4ドルを食べられたうちの旦那は、
寛大ではないカナダ人。
もう2度と券売機を使うことはないと思う…
そして$5札を握りしめている私は、
自分の意に反して無賃乗車をすることになった。

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