昨夜、うちの近所にパトカーと救急車が止まっていた。
サイレンの音は聞こえなかった気がする。
私が外へ出た時は、5,6人の警察官が
1台のパトカーを囲むようにして立っているのが見えた。
反対方向へ用事があったので、
はっきりとした状況は見ることができなかった。
うちの旦那の予想は、
”きっと [例の場所] で何かあったのだろう” だ。
例の場所とは、出所後の人たちが一時的に身を置く家のことだ。
近所に出所後の人たちを援助する非営利団体が構えるオフィスがある。
そしてその2階のアパート部分に出所してきた人が入居する。
私たちが越してきた頃は、そこはペット用品のお店だった。
うちと同じように、お店の後ろにオーナー夫婦が住んでおり、
2階部分は普通の貸しアパートだった。
彼らが店をたたんで地元に帰ってしまったあと、
その空き店舗に新しく入居したのが、この非営利団体だった。
同時に2階のアパートも丸まる借り受けたのだろう。
正直なところ、近隣からはあまり歓迎されていない。
どういうシステムかはよく知らないが、
アパートの住人は数か月程度で入れ替わっているようだ。
酷い時は、毎日のようにパトカー、救急車、消防車が
フルセットでやって来た。
中にはメンタルの問題を抱えている人もいるので、
どうしてもこういった大騒ぎになってしまうのだろう。
しかし、小さなお店で生計を立てている我々にとって
店の前のパーキングスポットは重要なアセットだ。
そこが警察・救急関連の車両で塞がれてしまえば、
お客さんだけでなく、配達などの車さえも止められなくなってしまう。
Weedを吸ってハイになっている怪しい人にうろつかれるのも
ビジネス的には正直マイナスだ。
お客さんの足を遠ざけてしまうことになる。
うちは1度、店のドアに卵をいくつか投げつけられたことがある。
色々と問題が続いた後の卵事件だったこともあり、
旦那は警察に電話をした。
ところが、「今、血が流れているのか?」と問われ、
「血が出ていないなら行かない」とあっさりと切られたという。
警官が駆けつける基準は “血” 。 狼か?
お国も違えば… である。
まぁ、確かに。
もっと大変な事件があちらこちらで起きているのだろう。
卵ごときで警官を送れないという警察の事情はお察しします。
旦那も卵をどうにかしてほしかったわけではなく、
この施設が地域・ビジネスに及ぼす影響を訴えたかっただけなのだが…
それから5年?6年?が経った。
このオフィスが今年いっぱいでこの地から
撤退することが決まったというニュースを小耳に挟んだ。
どこへ移るのか詳細は知らない。
ただ悲しいかな、いったいどこなら歓迎されるのだろうか。
脛にキズを持った人達にとって、
無くてはならない場所なのは間違いないだろう。
決してこのアパートに入る人全員が問題を起こすわけではない。
ほとんどが、ひっそりと静かに更生の道を歩もうとしている…
のだと思う。(そう、信じたい。)
オフィスの撤退は私たち近隣住民には嬉しいニュースだが、
手放しでは喜べない複雑な気持ちが交錯する。
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