トロントの冬は長い。
冷たく寒いみじめな毎日に嫌気がさし、
太陽を求めて暖かい場所へ向かう人も多い。
行き先はカリブ海に浮かぶ国々だ。
つかの間の夏を楽しみつつ、
母国の春の訪れを首を長くして待っている。
そんなカナディアンの春を待ち詫びる気持ちは服装に現れる。
少しでも太陽が出ようものなら、Tシャツで出歩く人や、
ビーサンで出かける人がちらほら出始める。
昨日はダウンを着てたにもかかわらずだ。
気温が10℃程度だったとしても関係ない。
「春が来た!」とはやる気持ちは止められないのかもしれない。
先日は、半袖のTシャツとスパッツに
もこもこのファーが付いた完全なるウィンターブーツを履いた人を見かけた。
せめてスニーカーという選択肢はなかったのか?
街に出れば、左にはダウンに毛糸の帽子の人、
そして右にはTシャツの人。
どの季節に自分がいるのか一瞬混乱してしまう。
春の気配を感じ始めたとはいえ、
まだほとんどの人がブーツにコートという寒い日に、
ダウンコートに手袋、マフラー、帽子という完全防備をしながら、
なぜか足元は八分丈のスパッツにビーサンという人も。
何故、「素足にビーサン」をチョイスしたのか大きな謎だ。
こうしたミスマッチが起こるのは、
車社会ということもあるだろう。
カナダの家がセントラルヒーティングで、
室内では薄着というのも大いに影響していると思う。
それでもやはり、外見をそれほど「気にしない」という
カナダのおおらかさが私は好きだ。
他人がどう思うかなんてどうでもいい。
自分の着たいものを着て、履きたいものを履く。
ファッションセンスを持ち合わせない私にはありがたい環境だ。
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