大みそか

カナダ/カナダ人

日本はすでに新年を迎えていることだろう。
トロントは、今日が大みそかだ。
カナダには日本のような
”大みそか”という雰囲気があまりない。
ましてや、”お正月”という概念もない。

クリスマスが休暇になるカナダでは、
一足先に年末のホリデーを終えている感があり、
残りの数日はいたって普通の1日だ。
パーティーピープルは
大みそかの夜に街 (or 友人宅)へ繰り出し
飲めや歌えや踊れやのパーティーを楽しむ。
そしてカウントダウンで年を越し、
2日からは普通に仕事が始まる。
日本のような厳かな新年の雰囲気は一切ない。

パーティー好きな友人カップルは
かつて大みそかに自宅でパーティーを開いていた。
私たちが初めて参加した年は、
彼にとっても初めての試みだったのか
互いに顔見知りの仲間だけが集った。
DJが趣味の彼の友人が、
本格的なDJの機材を持ち込み、
一晩中大音量で音楽を流し続けるという
近所迷惑間違いなしのパーティーだ。
(近所にはあらかじめ周知していたらしい)

年々、規模が大きくなり、
友達の友達の友達?みたいな人まで
噂を聞きつけてやってくる。
「いいパーティーがあるから来なよ」
主催者から誘われた(招待)人は、
それぞれ自分の友人を勝手に誘う。
この雪だるま式パーティーは
本当に欧米ならではだと思う。
まさにドラマで見る世界だ。
いつの間にか、
主催者(家主)の知らない人たちが
大勢出入りしている。

家のキャパを超えている人数の大人が
DJの音楽に合わせてジャンプをし続けた時は、
床が抜けるのでは?と
独り建物の心配をしたほどだ。
(彼の住居はタウンハウスの2階
階下の住人は大丈夫か?)

冷蔵庫は勝手に開け閉めされ、
それぞれが持ち込んだ飲み物が放り込まれる。
そのうち、何も持ってこなかった人でも、
誰かが持ってきたものを勝手に飲みだす。
普段は(カナダ式)土禁で生活している家で
最初は皆、それを尊重し靴を脱いで入るのだが、
人の出入りが激しくなるうちに、
土足で入って来る人が増えていく。
中には、ウィンターブーツ(外は雪)で来て、
家の中でハイヒールに履き替える強者もいた。
そんなガチな勝負魂に
私はただただ、あんぐりである。

床にはお酒やスナックが飛び散り、
空いたボトルや紙コップが散らばる。
土足の人が右往左往し、
お酒でベトついているリビングを
靴下で歩いている自分が嫌になる。
こんなカオスになった家を掃除し、
また土禁の生活に戻すという暮らしは
私には到底受け入れられない…

いつからか、
彼の家でのパーティーはなくなり、
私たちの年末も
毎年特に何もない静かなものが続いている。
今夜は、その友人と旦那で
NEYのイベントに繰り出すらしい。
私は、日本行き前に
これ以上体調を崩したくなく
人混みに出るのは遠慮した。
今年は、ひとりで静かに年を越すことになりそうだ。

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