生たまごの不思議

生卵を食べられるのは日本だけ？という議論が
色々なところでされているのは知っている。
卵で問題になるのはサルモネラ菌だが、
生で卵を食べる習慣のある日本では、
その前提で卵の品質管理がされているため、
生食が可能になっている。

「海外では生卵を食べるな！」と言われるのは、
もともと生で食べる習慣のない海外では、
あくまで火を通すことを
前提とした品質であるからだ。
要はサルモネラ菌が何等かの形で存在する
可能性がある卵ということになる。
しかし、サルモネラ菌は75度以上で
１分加熱すればほぼ死滅するらしい。
料理をすれば問題ないわけである。

ビビリの私はその忠告を素直に守り、
大好きな卵かけごはんは封印している。
大丈夫だと言う人もいるし、大丈夫な気もするが、
異国で、しかも経験したことのない異常事態に
もだえ苦しむのはご免被りたい。

生で食べる習慣のないカナダ人は、
生卵を食べることに当然ながら抵抗がある。
ワーホリ時代に働いた日本食レストランでは
すき焼きが生卵と共に提供されていたが、
眉をひそめる人も多かったと言う。
（私はサーバーではなかったので、
サーバーの友人から聞いた話ではある）

当時一緒に働いていたルームメイトは
カナディアンの同僚から、
『Free run eggs』なら生で食べられるという
情報を仕入れてきた。
（記憶が曖昧なのだが、Free rangeだったかな？）
それでも私は試さなかったが…
詳しくは知らないので私の勝手なイメージだが、
”Free run”にしろ、”Free range”にしろ、
飼育環境にある程度自由があるってだけで、
サルモネラ菌に対する管理は
されてないような気がするのだが…
まあ、飼育スペースが広がれば
衛生面も多少はきれいな気がしてくるが、
大丈夫という根拠はどこから来たのだろう？
それに、このレストランで提供していた生卵は
どこから来たものだったのだろう？

昨年行った、高級寿司店でもすき焼きを食べた。
生卵に抵抗のあるカナダ人でも気にならないよう
ポーチドエッグのような少し火の通った卵だった。
それはそれでおいしかった。
本当なら、卵かけごはんを食べたいし、
たまに納豆やとろろにも混ぜたい衝動に駆られる。
今回、超便利なとろろのパウチを手に入れた。
とろろかけご飯を想像するだけで、
よだれが止まらない。
しかし、準備段階で固まった。
卵…

カナダにいると、
それくらい生卵には慎重になる。
ところが！である。
昨日、昼時に旦那がスムージーを作るというので
私の分もお願いした。
まぁまぁではあったのだが、
バナナもミルクもない状態で作られたものなので、
少し深みの足りない
水っぽさが主張された飲み物だった。
そこで何を入れたか聞いてみると
”卵”

えっ？？
カナダ人は生卵に抵抗があるんじゃなかったのか？
食べるのはNGで飲むのはいいんかい！
そういえば、カフェで働いていた時、
古株の子がやはりスムージーを作ってくれたことがある。
おいしさの秘訣は「卵を入れること♡」って言ってたわ。

この感覚、どう理解すればいいのやら。
それよりも何よりも、
カナダの卵…サルモネラ菌とやらは大丈夫？