指定席

一昨日、コンサートに行った。
トロントでコンサートに行ったのは
おそらく初めてかもしれない。
音楽に疎い私は
日本でも数えるほどしか行ったことがない。
最近は映画館なんかも座席指定でチケットを購入するが、
実際に購入した席に座っていない人たちがいることに
疑問を感じてしまう。

数か月前に、うちの旦那がコンサートチケットを購入した。
いつも仲良くしてくれているご夫婦の奥さんと
うちの旦那の音楽の好みが意外にも似ていて、
そのコンサートに４人で行くことに。
彼女の旦那さんと私は、名前は知っているが…程度。
私が名前を知っているのは
旦那がよく口に出すからであって、
バンドに関しての知識は、ほぼゼロと言っていい。

ご夫婦の家に食事に行き、
話がまとまった時にすぐにチケットを購入したのだが、
旦那さんの方はその時にすでに、
コンサートの翌日にイギリスへ帰省する予定が決まっていた。
チケットは座席とイスのないLawn（芝）があったらしいが、
旦那は座席を４席確保。

コンサートの3日前、このご夫婦と食事をし、
「次はコンサートでね」と別れたばかりだったのだが、
当日の朝にまさかの電話。
「明日だと思っていたフライトが今日だった…」

・・・

フライトの日程を当日まで間違って記憶していたことに
かなりビビったが、こればかりは仕方ない。
急遽、他に行ける人を見つけることになった。
数人に声をかけたが行ける人は見つからず、
（当日の数時間前に連絡もらって行ける人なんて
そういないだろう。しかも音楽の好みもある。）
結局私たちだけで行くことになった。

会場についてからのモタつきもあり、
席にたどりついた時は、
すでに１曲目がスタートしていたのだが大した遅刻ではない。
ところが、私たちの席の列には空席がなさそうに見える。
４席も空いているはずなのにである。

私たちが購入していた座席は、
その列のど真ん中No.9,10,11,12だった。
通路からすぐのNo.4, 5が空いてはいたが、
その奥は人で埋まっている。

はぁ？？？

うちの旦那は、そういうところ適当なので
「まあ、ここでいいよ」と、留まろうとする。
しかしNo.3の席の女性がわたしに耳打ちしてきた。
「ここは私の友人の席だ」と。
ごもっとも。そりゃそうだ。
旦那を促し奥へ進む。
奥に座っていたおじさんの仲間？たちが、
なにやら適当に座席をスイッチしていたらしい。
そこで私たち２人分の席は空いたのだが、
となりの２席も空くはずなのに、
別グループの若者たちが陣取ったままだ。

会場に入れているということは、
どこかしらのチケットを買っていることは間違いない。
ただ、セクションによって金額が違う。
本当にこの席の金額を払っているかどうか疑わしい。
私は少し不満を抱いたままコンサートが進んでいく。
そしてコンサートも半ばに差しかかったころ、
カップルが到着。
「ここは私たちの席よ」と
陣取っていた若者たちを追い出した。
おかげでちょっとすっきりはしたが、
私たちの左右には１席分しか空きがない。
友人がいたら、
果たしてあの列の誰が追い出されたのだろうか？