コテージの部屋取りで思い出したのだが、
かつてワナワナと、ひとり震えた経験がある。
ある夏の週末、友人が実家に帰省する際に
一緒に来ないか?と誘ってくれた。
トロントから2、3時間離れた
自然あふれる地域で育った彼の家は、
広大な敷地の中にあった。
家も大きくプールまであった。
私たちと、もう一カップルでお世話になったのだが、
着いて早々家の中をガイド付きで順番に案内され、
そのまま残っている本人や妹の部屋に続いて
「ここが JとJenの部屋」と、こぎれいなゲストルームを見せられた。
お母さんか妹さんのどちらかの趣味がキルトということもあって、
ベッドにはカラフルなキルトのカバーがかけてあった。
そして私と旦那用の部屋は「こっちだよ」と、
すこし離れた部屋へ案内された。
そして目の前に現れた部屋に、私は・・・
子ども時代に使っていたと思われる2段ベッドがあり、
普段は物置に近い使い方をしていると容易に想像できる部屋だった。
そして床に直に敷く布団が置いてある。
「ハンモックもあるし、
使いたければ自由に使って」的なことを言われた。
この差は何?
ホテルじゃないのだから、
素敵なゲストルームが1つしかなくても少しも不思議じゃない。
泊められる部屋があるだけですごい。
ただ、こんなにも差がある部屋と分かっていながら、
2組のカップルを招待し、
独断で部屋割りをされていたことにショックを受けた。
美男美女のカップルにベッドではない部屋は失礼だとでも?
布団の習慣をもつ日本人なら大丈夫だと?
見た目がこぎれいな人たちにはきれいなベッドの部屋を、
テントでも十分そうなワタシらにはベッドなど必要ないと?
もう、いろんなことが一気に頭の中を駆け巡った。
なんか低く見られているような、侮辱されているような
声にできない何とも言えない複雑な気持ちだ。
私なら、いや日本人なら、最初に2部屋を両方に見せた上で、
「ちょっと部屋に差があって申し訳ない…」と謝り、
当事者にどっちの部屋にするか話し合って決めてもらうだろう。
実際、最初に部屋を指定されたカップルは、
そのままそこで自分たちの荷物を解き始め、
私たちが案内された子ども部屋には顔を出さなかったのだから、
私たちがどんな部屋で寝泊まりしたか知りもしない。
彼らの感想は、「きれいで快適な部屋だった」だ。
当然だろう。
”清潔感”に関して言わせてもらえば、
この4人の中で汚いことが一番嫌いなのは紛れもなくこの私だ。
きれいなお部屋をあてがわれたカップルは、
それこそ美男美女で何かとお洒落なタイプだが、
キッチンの洗い物がエベレストのように積みあがっていても
放置して寝てしまえるし、
パーティー好きでよく自分たちの家でパーティーを開き、
普段は土禁の家に大人数が土足で出入りしても気にしない。
食べ物やお酒がそこら中にこぼれまくっても気にしない。
自分たちのベッドルームを臨時のクロークにして、
ベッドの上にわんさか他人の荷物を放り込み、
ベッドルームへの人の出入りも自由自在。
そんな汚さに、とことんおおらかな人たちだ。
それがこの仕打ち。
見た目で判断されたということなのだろうか…
日頃、うちの旦那が周囲に与えてしまっている
超々庶民の印象のせいもあるだろうが、
それでももし、私がもっと ”お嬢様” 的な、
上流階級的な雰囲気を醸し出すいい女だったら
少しは対応も違ったのだろうか…?
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