日本で大掃除と言えば、年末。
でもこちらでは大掃除はSpring Cleaningといって
春に行うものらしい。
寒い冬よりも、ぽかぽか陽気の春にする方が
掃除もはかどり理にかなっている気がする。
かつて移民申請中のため合法で働けなかった頃、
カナダ人の友人に$20で彼の家の掃除をしないかと持ちかけられた。
彼は一軒家をリースし、
自分の部屋以外はシェアルームとして貸しており、
週2で掃除のおばさんを雇っていた。
ところがそのおばさんと揉めてしまいクビにしたという。
次が見つかるまでやってくれないか?ということだった。
収入ゼロの中での$20は光輝く黄金だ。
掃除が好きなわけでも得意なわけでもなかったが、
もちろん二つ返事でお引き受けした。
初日、使用する用具や掃除の手順を教えてもらったのだが、
そこでまたまた衝撃的な現実に遭遇した。
「リビングルームや廊下はこのモップを使って…
それからモップをゆすぐときは、ここでこうやって…」と
実演し始めたその場所は… キッチンのシンク。
・・・
「げ゛っっっ?」
何をどう考えたらそんなことが許されるのか?
食べ物を扱うキッチンのシンクで、
床を掃除したモップをゆすぐという許し難い行為。
しかもこの家は一応 “土禁” という体裁を保ってはいるが、
当然カナダ式なので土足も横行している。
不衛生極まりないことをアピールするよう語気を強めてみても
感覚の違うこの国の人間にはこれっぽっちも伝わらない。
他に手段はないのか?
最終的には、「私は住んでいないのだから・・・」
と言い聞かせ指示に従った。
実際にシンクを使いながらも、雑念が湧いてしまい気分が悪い。
しかも、他の住人に見られたら、
「こいつヤバイ、汚い」と思われるのではという
よく分からない不安も襲ってくる。
結局、他人の汚した部屋やバスルームを掃除する虚しさも手伝って、
数回やっただけで継続をお断りした。
(ハウスキーピングは何て厳しい仕事なんだろう…)
同時に、国や文化の違う人たちと一緒に住むことの恐ろしさを
思い知らされた出来事だった。
その昔、私もルームシェアの生活を経験している。
もしかしたら私が知らないだけで、
彼らも同じようなことをしていたのかもしれない…
Comments コメント