ストライキ

トロント

トロントの公共交通機関(TTC) のストライキがぎりぎりで回避された。
自宅勤務になるまでは、私も通勤で毎日お世話になっていたが、
最近はほとんど利用する機会がない。
ニュースにあまり気を配っていなかったこともあり、
毎週恒例のバレーボールに出かけて初めて、
翌日にストライキの可能性があることを知った。

なんとまあ絶妙なタイミングだこと。
翌日は、髪を切りにダウンタウンの方まで出かける予定が…
よりによって私の“レア”な遠出の日に、
何もそんな意地悪をしなくても。
もしストライキになったらどうやって行こう??
天気も雨の予報。Uberしかないか… 
となると、想定外の出費が発生することになる。
帰宅後もストライキが気なって仕方がない。
デッドラインは真夜中。
ありがたいことに、ギリギリで交渉が成立しストライキは回避された。
アップデートされた最新のニュースを確認後、私は安らかな眠りについた。

このTTCが最後にストライキに突入したのは2008年。
その後も「ストライキ突入か?」というステージは
定期的にやって来る。
日本と比べて、Union (組合) の活動が活発で強いと感じる。
振り返れば、教師や市職員のストもあった。

教師のストでは、プラカードを掲げ、
毎日のように学校周辺をデモする教師たちの姿を目にした。
市職員のストがあった時は、ゴミ収集がストップし、
ゴミで溢れ返った街中のゴミ箱が異臭を放ち、
ハエがたかるという異常な光景も目にした。
このストライキは36日間も続いたそうで、
週1のゴミ回収がないことの恐ろしさを垣間見た。
(この時、私はバケーションで2週間ほど友人を訪ねただけ)

また、こういったストライキが
子どもを持つ多くの親をあたふたさせるのも
カナダならではかもしれない。
カナダでは法律上、子どもを1人にさせることができない。
教師のストで学校が休みになれば、子どもを家で見る人が必要になる。
市職員のストでデイケアが閉まってしまえば、これもまた同じだ。
日中、子どもの世話を誰がするのか?
親は四方八方、手を尽くして預け先を確保するか
スケジュールの変更を余儀なくされる。

私が育ったころの日本は、フルタイムでの共働きがそれほど多くなかった。
昨今は、もしかしたら日本も似たような状況なのかもしれない。

いずれしても、ストライキは影響を受ける側からしたら迷惑な話だが、
同じ労働者の立場で考えれば、
労働条件を改善させるための合法な権利なわけで、
責めることはできない。
ただ、誰も得をしないのも事実だろう。
今回、究極の選択に至らずストライキが回避されたことは
誰もが望んでいたことだ。
おかげさまで、私も無事にヘアサロンに行くことができた。

Comments コメント

タイトルとURLをコピーしました