持って生まれた性格…
変えようと思っても簡単に変えられるものじゃない。
私は一言でいえば内向的だ。
通信簿に書かれる先生からのコメントは
「協調性はありますが、もう少し積極的になりましょう」
というのがお決まりだった。
人とのコミュニケーションが嫌いなわけではないし、
接客業がすごく苦手というわけでもない。
ただ、自分から人の輪の中に入っていくのは躊躇してしまう。
大勢の人がいる場所や、注目を浴びることは避けたいし、
基本的に自分の意見を主張することもない。
この点で、うちの旦那はまったく正反対といえる。
思ったことはすぐ口にするし、
(声もデカイし、空気を読めず
悪目立ちするのでハラハラもん…)
見知らぬ人ともすぐに会話で打ち解ける。
英語が分からぬ私の父に、
100%英語で一方的に話しかけ
コミュニケーションを取り続ける姿は、
ある意味羨ましかった。
彼の積極性にはいつも驚かされるのだが、
今までで一番びっくりしたのは
ビーチバレーのコートを作ってしまったことだ。
毎年夏になると、私たちはビーチバレーをしている。
しかしトロント市の外れに引っ越したことで、
ビーチバレーをする大きなビーチからは遠ざかってしまった。
今住んでいる場所も湖沿いなので
ビーチがないわけじゃないのだが、
バレーができるような広いスペースがない。
すると「ここにもビーチバレーのコートが必要だ!」と
ひとり、声を上げ始める。
近所のビーチはそれ自体は狭いのだが、
ビーチの手前には広大な芝生の広場が広がっている。
ある日、“ここをコートに作りかえればいい” と、
地元議員に提案書のようなメールを書いて送りつけた。
コートの大きさや、必要な砂の量、
ネットを張るポールの高さ、
広場の中でもピンポイントで場所を指定し、
その広さならコートがいくつ作れるかなどなど、
自分の描いている青写真をそのまま訴えたのだ。
近隣住民の署名を集めた嘆願書でも何でもなく、
「バレーのコートが欲しい」という一市民が
ただただ自分の意見を熱く書き連ねただけだ。
ところが、それが市議会で取り上げられ、
コートを作るGOサインが出てしまった。
半信半疑の提案書提出から数年後のことだったが、
本当に芝生の広場をビーチコートに作り替える
プロジェクトが動き出した。
それがちょうどコロナ直前の話だ。
猛威を振るったコロナのせいで
このプロジェクトが立ち消えになるのではないかと心配したが、
順調に工事は進み6つのコートが完成した。
今では、ソーシャルグループのリーグなどにも利用され、
地域住民のレクリエーションに一役買っている。
”思ったことを口にする”
これって本当に大事なんだなと実感させられた出来事だ。
うちの旦那の場合、”するする詐欺” 的な
ただ言うだけで結果が伴わないことも多いが、
まれにこういった大胆なことを成功させることもある。
夢や目標は自分の中に秘め、黙々と突き進むタイプの私には
簡単にマネできるものでもない。
彼の積極性に羨ましさを感じつつも、
今日も私は私の道を生きている。
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