内と外。この概念は実に単純明快だと思うのだが、
カナディアンには超絶難解なものらしい。
「室内では靴を脱ぐ」という習慣が
日本特有の文化であることは承知している。
だからこの国にやってきた時、土足での生活は覚悟していた。
しかし、靴を脱ぐ習慣を持っているカナダ人が
意外にもたくさんいることを知って初めは驚いた。
これは日本人の私にとって嬉しい誤算である。
ラッキーなことに私の旦那もその内の1人で、
家の中では靴を脱ぐ家庭で育ったと言う。
異国で日本と変わらない生活ができるのはありがたい。
だが単純に喜んでもいられない。
[家の中では靴を脱ぐ=土禁] なはずなのだが、
そうは問屋が卸さないのが、この不思議な国カナダ。
そもそも入り口に「玄関」と呼べる明確なスペースがない。
ドアを開ければ、そこはもう1つの部屋だ。
つまり靴を脱ぐ位置も人によってマチマチになる。
来客に「すみません、靴を脱いでもらえますか?」とお願いすると、
ドアのはるか手前で脱ぎだす人もいる。(そこ、まだ外ですけど)
もし部屋から庭へ出ることがあれば、もちろん裸足。
外履きが必要か?という考えは、1ミリも彼らの脳をかすめない。
コンド住まいの場合、コンドの建物内は自宅扱い。
(*コンドミニアム:日本のマンションにあたる)
ゴミ捨てや洗濯(地下に共同のランドリーがあることが多い)
隣人を訪ねるなど、コンド内の移動は縦横無尽。
何なら、駐車場までも許容範囲内。
いくら何でも守備範囲が広すぎないか?
もう全部外なんですけど!!
他人の家のことには口を出せないが、
せめて自分の家の中だけは土禁を守りたい…
旦那への地道な啓蒙活動は今もなお継続中だ。
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