タコ

日本

予定どおり、旦那のお兄さんが夕方4時頃やって来た。
息子の一人を亡くして早2か月…
しばらく連絡が途絶えていたのだが、
やっと向こうから連絡をしてきたらしい。

会ったらお悔やみを言った方がいいのか
それとも何も触れない方がいいのか…
どう対応するべきか迷っていたのだが、
お兄さんの顔を見たとたん、
自然と普通のあいさつで始まった。

精神的にどこまで回復しているのかは私にはわからない。
見た限りでは、私の知るお兄さんの姿そのものだった。
うちのリビングで一緒に少し歓談したのだが、
11月には2週間ほど奥さんと2人で日本へ旅行に行くという。
東京に数日滞在し、東京の少し北にある温泉に行き、
その後は大阪、奈良、姫路などへ足を延ばすらしい。
ディズニー好きの奥さんとは別行動?とかで、
お兄さんはどうも “本物“ のお城が好きらしく、
姫路城を見るのを楽しみにしているようだった。

YouTubeで色々情報収集をしているようで、
日本のコンビニや、ファミチキなんかもすでに知っていた。
大阪に行くなら是非 ”たこ焼き” を…と言おうとしていると、
先に「タコは食べたくない」と言われてしまった。
お兄さんはすでにかなりの情報通で、
大阪の名物がたこ焼きなのももちろん知っていた。
しかし、”タコを食べる” ということ自体が想像もしたくないことらしい。
一言「Grooooss!!」と。

実はこれを聞いたのは2回目だ。
来年、一緒に日本へ行こうと計画している友人で、
タコは遠慮するときっぱり言われてしまった。
その人も、”タコを口にする” ことが、どうも気持ち悪いみたいなのだ。
あまり考えたことがなかったが、
確かにタコの吸盤とかの見た目はグロいわな…

どんなに「おいしいよ!」と言われても
わたしがイナゴを食べられないのと一緒か?
いや、イナゴは見たまんまのグロさだが、
少なくともたこ焼きのタコは見た目には分からない。
それでも嫌なものは嫌だから無理にはすすめようとは思わない。

その後は旦那と二人でいつものパブへ。
3時間近く出かけていたが、
ずっとキャンプの計画を練っていたんだとか。
どうやら私もキャンプに連れていかれるみたいだ。
何はともあれ、
お兄さんがアクティビティをする元気を取り戻したことは
何よりもうれしいことだ。
悲しみを忘れることはできないだろうが、
少しでも楽しみを見つけて
有意義な時間を取り戻してくれることを願ってやまない。
もし日本がそれに一役買えるならこの上ない喜びだ。

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