今年のエミー賞を席巻した「SHOGUN 将軍」。
作品賞、主演男優賞、主演女優賞の主要部門を含む18部門を制覇。
これはエミー賞史上最多になるらしい。
先立って発表された、主に製作・技術に携わった人々に贈られる
「クリエイティブ・アーツ・エミー賞」においても
最多の14部門を受賞し、
今年のエミー賞は、まさに”SHOGUN”一色だったと言える。
この作品、私はまだ見ていない。
契約しているストリーミングサービスでは見られないせいもある。
ただ、ここまで話題に上った作品となれば、
一日本人としてぜひ見てみたい。
真田さんが「オーセンティック (authentic)」にこだわったと
言われていることからしても、
これまで欧米の視点で描かれてきた、”なんちゃって日本”ではない
自然な日本の姿がきっと見られるのだろう。
うちの両親は時代劇が好きだったので私もよく見ていた。
NHKの大河ドラマは毎週欠かさなかったし、
水戸黄門や大岡越前といった定番ものはもちろん逃さず見ている。
中でも私のお気に入り時代劇は、赤穂浪士を描く作品だ。
何度もリメイクされているが、何度見ても泣けてしまう。
やはりあの時代劇の重厚さは、日本語でないと表現しきれない気がする。
侍が英語でしゃべっているだけで、どうしてもウソっぽいのだ。
日本語をしゃべっていても、それがカタコトだとガッカリしてしまう。
それが今回、日本を代表する俳優陣かつ日本語でのドラマという点で
とても興味をそそる。
しかし制作の現場は恐ろしく大変だっただろうなと想像する。
今回は、英語で書かれた脚本を日本語に書き直し、
またまた、それに英語字幕をつけるという手順を踏んだらしい。
日本語に書き直された脚本も、ほぼ書き言葉で訳されていたため、
更に話し言葉に直す必要があったそうだ。
英語=日本語という完全一致の言葉はないことが多い。
翻訳する時点で、どうしても消えてしまうニュアンスがある。
翻訳者はそれを少しでも落とさないように原文に寄せる努力をする。
または、その言語にある似たような表現を模索する。
1回の翻訳 (英語→日本語)だけでも大変なのに、
それにまた英語字幕をつけるということがどれだけ大変か…
翻訳をちょっとかじる者として、
どう訳されているのかという観点で見るのも楽しいに違いない。
しかしまずは純粋に、久々に戦国時代の物語を堪能してみたい。
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