解釈の違い

言葉

Furnace (暖房機) が燃えたぎる事件から2日経った。
(セントラルヒーティングのスイッチを入れた初日に、
暖房がガンガンに効きすぎて部屋が異常に暑くなった事件)
暖房を切ることに一旦成功した夜中のビルオーナーとの会話で、
「いずれにしろ明日Furnace guyが見に行くよ」と
オーナーは言った。
うちの旦那は、Furnace guy (Electrician) が帰る際に
電話番号を聞いておくべきかなと思ったらしいが
なぜか聞かなかったのだという。
「何であの時、自分の guts に従わなかったんだろう…」と、
少し悔やんでいた。
しかしまあ、暴れ出した暖房機は何とかOFFに出来たし、
明日来てくれるというのだから良しとしよう。

翌日、お約束のように Furnace guyは現れない。
(カナダでは約束は約束ではない
夕方私たちはいつものパブで夕食を取っていた。
旦那の携帯に見知らぬ番号から電話が入る。
取らずにいると留守電にメッセージが残された。
旦那もピンときたのかすぐに留守電を聞く。
Furnace guyだった。
留守電を聞き終えるなりテキストメッセージを彼に返す。
「今外にいるので自宅に戻るのは20:30頃になる。
明日でも構わないよ。9:00am以降ならOKだ。No rush」と。
すぐさまテキストが返ってくる。
「OK。それじゃ明日行くよ」

そして翌日。Furnace guy はまたも現れない。
一日の終わりにふと思い出し、連絡があったのかと確認すると、
「ないよ」と少しも気にしていない様子。
「何で? 来れないなら来れないで連絡するでしょ普通…」
「大したことじゃないよ。俺も No rushって言ったしね」

え”っ?No rushってそういう意味で使ったの?
ここに日本人の私の感覚とズレが生じる。
私には、“昨夜彼が電話してきた時点で我々が家におらず、
(そもそも連絡が夜の7時過ぎって時点でおかしいだろ?)
20:30には家に戻るけど今日はもう遅いから、
無理に今日中にやらなくてもいいよ” という
諦めの No rush に聞こえていた。
つまり、”明日まで待てる”
である。

ところが、旦那や Furnace guy にとっては、
“修理は緊急を要さないからいつでもいい“
という意味にまで拡大される。
必要なことなのにそんなに広げてどうする?

まぁ、英語ネイティブがそう言うのであれば
100歩譲ってそうなのだとしても、
彼自身が「明日行くよ」と言ったのに
連絡もなしに来ないってどういうことよ。
私がそれに対して一言物申そうとすると、
「まぁまぁ落ち着いて。天気予報を見なよ。
来週は少し気温が戻るから心配ないって」となだめられる。

現時点で、我がアパートは暖房がない状態に戻ったわけなので、
気温が上がってくれるのはラッキーだけど、
ポイントはそこじゃなくて…
約束を反故にするなら (許し難いが、もうこれには免疫ができた)
せめて連絡はしてこいよ!と言いたい。
そうやって物事を何でもなあなあにするせいで、
いざって時にいつも間に合わなくて困ることになるんだってば!

そんないつものカナダ人のおおらかさはともかく、
そもそも今回のように、彼らのコミュニケーションが曖昧すぎて
私にモヤモヤを残すことが多々ある。
ん?でもこれって何かおかしくないか?
英語はローコンテクスト文化 (曖昧さがない)の
筆頭と言われる言語なハズなのに…

No rush = 急がなくていい

ああ、そういうことか!!
ハイコンテクスト文化の日本語を操る私は、
「No rush = 急がなくていい」という文字通りの解釈ではなく、
無意識にコンテクスト (前出の赤アンダーライン部分)を
含ませて解釈しているということか!
なるほど… これを書いていて
妙に腑に落ちてしまった金曜日の午後である。
(約束を守らないのと連絡してこないのは別問題だけど)

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