大迷惑

文化の違い

たまたま流れてきた
インスタの映像を見ていて
空港での迷惑行為をふと思い出した。

最近は、日本のおもてなしを称賛する映像が
SNSでよく紹介されている。
私たち日本人からすれば、
ごく当たり前のことでも、
海外の人の目には
信じられない行動に映るらしい。
空港のグランドスタッフたちが
飛行機を見送る姿しかり
スーツケースの丁寧な扱い方しかり。
新幹線の掃除クルーが
数分で車内清掃を済ませ、
終了時にホームに整列し
お辞儀をする姿なども
驚きと共に称賛されているようだ。

空港でのスーツケースの
丁寧な扱い方はかなり有名だろう。
貨物室への積載や積み下ろしの際、
海外では乱暴に放り投げられることも多いが
日本では一つ一つ丁寧に積まれている。
そしてbaggage claimエリアでの対応は神。
ベルトコンベアに
無造作に落ちてくるスーツケースを
衝撃を緩和させるように受け止める人がいたり、
スーツケースを取りやすいように、
持ち手を手前にして並べてくれる
人がいたりする。

もちろん全部が全部そうではないが、
このような発想は、
他者への思いやりから生まれる
すばらしいものだと思う。
そういう小さなことに気づける日本人って
本当にすごい!

帰国時、トロントの空港で
荷物が出てくるのを待っていると、
ベルトコンベアに流れてくる荷物を
立てかけてくれている人がいた。
おっ?ここにもいるではないか。
と思ったのは1秒だけ。
スーツケースを横にした状態で
手前に立てかけるので無駄に幅をとる。

言葉だけで説明するのはなかなか難しいのだが、
この状態イメージが湧くだろうか?
日本のやり方なら、
スーツケースの厚みの幅だけなので、
隣にどんどん立てかけていっても
それほど場所を取らない。
ところが、
スーツケースの長辺を横に並べたらどうなるか?
見事にバリケードの完成だ。

そのバリケードの向こう側に、
容赦なく新たなスーツケースが落ちてくる。
その荷物は当然ながらガン無視だ。
嫌な予感は当たり、
私の荷物はそのバリケードの向こう側、
手前から3列目に着地した。

21キロある荷物を…
余計なお世話で築かれたバリケードの、
更にもう1つのスーツケースの向こう側にある荷物を…
そしてコンベアに乗って流れていく荷物を…
どうやって取れというのか?

これをやった人、頭悪すぎないか?
どうやったら荷物を平等に取りやすくできるのか、
ちょっと考えたら分かるだろ?
無造作に落ちてきたスーツケースのままの方が、
よっぽど取りやすい。
まじで大迷惑!!!

ガラスの腰を持つ人間は特に、
重い荷物を扱う時には細心の注意が必要になる。
重量あるものが
自分の体幹から離れれば離れるほど、
腰への負担が殺人的に増加する。
死活問題なのだ。

手前にある誰かの荷物を
無下に扱うこともできず、
自分の荷物に何とか指が届いても
止まってくれないコンベアが、
無慈悲にも荷物をさらっていく…
まじでFワードを吐きかけた。

言葉にならない音を喉で鳴らしながら、
数回のトライの後、
何とか荷物を取り上げた。
余計なことはしないでくれ!
頼むから…

タイトルとURLをコピーしました