向き不向き

仕事

物事には向き不向きがある。
これは常々感じることだ。
日本で唯一再会した友人は、
ちょうど新しい仕事が決まったところだった。
その仕事とは『営業』。
私には絶対に出来ない仕事の1つだ。
彼女に言わせると、
「営業しか脳がないから」となるのだが、
営業職をこなせる人を私は尊敬する。

私はひとり黙々と(机上の)作業をすることを好む。
正にバックオフィス要員向きだ。
営業する人たちが必要な、
あるいは持ち帰った書類等を処理・整理する方が
断然気が楽だし、得意である。
しかし営業を好む彼女からしたら、
書類整理の方が苦手で
”顧客を獲得してきたらから、
あとはよろしく!”となるらしい。

実に面白い。

私の姉は、平日は会計事務所の経理をしている。
私同様コツコツ業務が得意なタイプとみられるが、
副業で披露宴の司会業もこなしている。
人前で司会???
これまた私からしたらあり得ない仕事だ。

一見、私と同じ
地味な“裏方さん”が好きなのかと思いきや
大勢の一般ピープルの前に出ることも厭わない
積極性の持ち主ということになる。
姉妹でもこれだけ違う。
妹も、高校時代は
バンドを組んだ友人に頼まれて
ボーカルとして歌っていたというから驚きだ。

今回、姉の司会業の驚きのエピソードを
色々聞いたのだが、
頼まれても絶対にしたくない仕事だ。
そもそも私には無理である。

もちろん式当日までに入念な打ち合わせを重ね
当日も手元の進行表に沿って宴を進めていく。
しかし、思わぬハプニングが起こることは
珍しくないという。
次にインタビューを振る予定のゲストが
席にいない。
指輪交換の指輪がない。
ビデオ上映のセッティングができていない。
などなど…
(これらは進行表に基づき、
裏方のスタッフが確認や段取りをし
司会者にキューを送るというのが基本の流れ)

裏方の確認不足や手順の悪さがあって
突然、進行表どおりに進められなくなっても
司会者は無言になることが許されない。
まるで問題など起きていないかのように、
即興でその場をつながなくてはならない。
というのだから聞いてるだけで冷や汗が出る。

場数を踏んで培った経験と本能で、
(これこそ持って生まれた才能だと思う)
瞬時に機転を利かせて窮地を乗り切っても、
事情を知らない新郎新婦からは
”間が悪い”などと厳しいフィードバックを
突きつけられることもあるそうだ。

ひどい!ひどすぎる!
司会者の責任じゃないのに。
むしろ窮地を救った立役者のはずなのに!
本当によくやってるよなぁと
我が姉ながら尊敬せずにはいられない。
私なんか…
たくさんの人の目が
自分に向いているだけで無理だし、
即興でしゃべるとかあり得ないし、
絶対に向かない職業だわ、それ。

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