近所に行きつけのパブがあるのだが、
そこはローカルのバンドマンたちが、
入れ代わり立ち代わり生演奏を披露する場でもある。
トロントにはこのような場所がたくさんある。
お客さんの中には、贔屓にしているバンドの演奏に
足繁く通っている人たちもいるようだ。
私たちの場合、特にバンド目当てではないので、
たまたま食事に寄った時間帯に
バンドが演奏をしているといったタイミングだ。
音楽に疎い私には、ほとんどが馴染みの無い曲なので
なかなかノリずらい。
でも、たまに知っている曲が聞こえてくると嬉しいものだ。
そしてバンドの正面には狭いながらもダンススペースがある。
4~5人もいたら一杯だろうか…
好きな曲になると、カップルで手を取り合いダンスする人たちもいれば、
思い思いに体を揺らしている人たちもいる。
このスペースを主戦場とする名物おじさんがいる。
(私が勝手に名物だと思ってるだけだが…)
年齢は60台後半くらいだろうか?
バンドがチューニングをしている頃に現れ、
一番前のテーブルを陣取ると、
とりあえず飲み物を注文して出番を待つ。
そして演奏が始まると真っ先に席を立ち踊り出す。
いつも2~3人の女性が一緒で、
うちの旦那がつけたあだ名は「pig pimp」。
別に“big pimp”のダンスを見たいわけではないのだが、
バンドに目を向けると、その前で激しく踊っているので
どうしても目に入ってしまう。
特に上手いとか下手とかはなく、
連れの女性とともに、音楽に酔いしれながら踊り続ける。
バンドの演奏中は店内の照明が落とされ、
スポットライトがステージ付近を照らしている。
本人にその気はないのだろうが、
私が見ている構図は、まさに「俺のステージ」状態。(笑)
時に力強く歌詞を口ずさみながら。
時に指を鳴らしながら。
今日もbig pimpは、次の戦場に向かう準備をしていることだろう。
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