相手と同じ立場に立ったことのない人は、
相手の不満や痛みを理解できない…
この構図は社会のあらゆる場面に存在する。
いじめしかり、ハラスメントしかり。
ここ数年、毎週プレーしているバレーボールの仲間内で
ゲーム中に言い合いが発生する回数が増えてきている。
私が参加し始めた頃から、
時々ヒートアップする場面に遭遇することはあったが、
最近はそれが常態化してきている気がする。
昨日も、1人がこらえきれずに不満をぶちまけた。
彼は敵チームで、私はネット越しに
彼の表情がこわばっていくのを感じ取っていた。
ちょうどゲームが終わり、水飲みに皆が散った時
私はその危うい状況を旦那に耳打ちした。
悪い予感が当たり、
新たなゲームが始まると事件が起こった。
前衛にいた彼がブロックに飛ばなかったことに対し、
彼のチームメートが文句を言ったことが引き金を引いた。
彼は「動いてないから体が冷えちゃって…」
みたいなことを返した。
これは本心であり、最大の皮肉である。
彼は前衛にいる時に
スパイクをする機会が回ってこなかった。
私たちのバレーボールは
勝敗が重要になってくるリーグではなく
週1で楽しむレクリエーションなので、
セッターは左右平等にセットを上げるのが
暗黙のルールになっている。
しかし、勝気なセッターはそれをせずに
片側に連続で上げ続けた。
誰もがスパイクを打ちたい。
それが1つの楽しみなのだから。
こうなると当然だが、セットを上げてもらえない人は
不満がつのり、モチベーションはダダ下がりになる。
何もすることがないのだから
「体が冷える」というのも正論なのだ。
しかし、立て続けにスパイクを打って楽しんでる人は
その不公平さが分からない。理解しようとも思わない。
この時のセッターはサブ(欠席者の代わり)メンバーで
ほとんど現役に近い25歳の強気な女性だった。
彼女の強さも半端ない。
「彼はミスを続けてた。22-23の接戦で、
彼にトスを上げないのは当然のこと」と
きっぱりと言い放つ。
その理屈は分かるが、これはオリンピックか?
国対抗のトーナメントか?
今年に入って参加し始めたサブの立場で、
15年以上も続くこのグループの暗黙のルールを無視できる
その図太さに驚くばかりである。
しかし彼女の言い分には穴がある。
彼女は片側だけに10本近く連続で上げたが、
その人も結局決めきれなかった。
それでも反対側に1本も上げないというのは
彼女の言う ”ポイントを取れる人に上げる” という
理屈が通らない。
このスパイクするチャンスがないことに対する不満は、
私自身が長年経験していることなので痛いほど分かる。
私も旦那に何度も不満をぶつけてきたが
少しも理解してもらえない。
多少の同情を示しつつも、
“ポイントを取れる人優先” 思考が根強い。
自分が打つ気満々の時に
一度でもトスが来ないと腹を立てるくせにだ!
それが2時間ずっと続くことを考えたことはないのか?
スパイクをある程度打てるようになった今でも
不公平を感じることは無くならない。
“女子” というハンデがあるから仕方ないと
私はある程度割り切れるが、
男性はそうもいかないだろう。
しかも強気のセッターからトスをもらい続け、
彼のプレーにケチをつけたのは、わがままなプリンセス*だ。
(*自分の思い通りにならないとふてくされるオヤジ)
昨日もゲーム開始から
味方のミスが続いたことで不機嫌になり、
チーム全体を負のスパイラルに陥れていた。
自分の投げやりなプレーは天高い棚に上げ、
人のプレーを強烈に批判する。
自分だけがスパイクをしていることに気づかず
何が不満なんだ?と毒を吐く。
(気づいてるとしたら、それが当然であるという
人を見下す態度が透けてみえる)
爆発した彼は、その夜旦那にメールをしてきた。
(旦那はオーガナイザー)
「セッターの子のスキルは認めるし、
彼女がサブで参加することも反対しない。
彼女と面と向かって話をしたが、
プレースタイルを変える気はないとはっきり知った。
であれば、彼女がサブで参加する時は
俺は彼女の “隣” ではプレーできない。
それが衝突を避ける唯一の方法だ」
これが大人の彼が導き出した結論だ。
私は彼の意見を100%尊重する。
しかし、彼女に私たちのルールを全無視することを許すのとは
話が違う。このグループに参加する以上、
ルールは遵守してもらわなければならない。
そこはしっかりとオーガナイザーの旦那が話をするべきだろう。
ゲーム中の言い争いよりも何よりも
正直、彼女の我の強さにドン引きしている…
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