犬か猫か?

日々の暮らし

昔、友人に「○○は絶対猫だよね」と言われ、
「いや違うよ!」と反論しようとしたのだが、
周囲にいた人たち全員にうなずかれた。
おいおい、よってたかって人の好みを決めないでおくれ。
と思ったのだが、
話題が “好み“ ではなく “性格“ だったことがわかり、
自分でも納得した。
明かに、私はしっぽを振って甘える犬タイプではなく、
気ままに一人を楽しむ猫タイプだ。

犬も猫もどちらもカワイイ。
でも飼うとしたら、私はどちらかというと犬派だ。
犬を飼いたい気持ちはずっとある。
ただ世話を考えると猫の方が断然楽だと思う。
犬は手がかかる。散歩が必須… 365日/年中無休だ。
雨の日も風の日も、大雪の日も。
トロントの長く極寒の冬を考えると、
意志の弱い私は絶対に責任を果たせない自信がある。

中学生の頃、家で犬を飼い始めた。
約束をしたわけではないが、
自然と散歩は父と私が担当になった。
朝は父が、そして夕方は私が。
しかし就職して帰宅時間がだんだん遅くなり、
いつの間にか散歩の役目を果たせなくなった。
その頃には犬も年を取り1日1回、
父が散歩に連れ出していた。
私は週末などの時間がある時に、
気まぐれで散歩に出かける程度になってしまった。

こんな無責任な飼い主では犬が可哀想すぎる。
走り回れる広い裏庭でもあるならまだいいが、
狭い家の中だけで飼うのは人間のエゴというものだろう。
それに、「家の中で飼う」ということにも多少の抵抗がある。
それこそ土足問題だ。
小型犬ならいけるんじゃ?と思うこともあるが、
やはり責任の重さや土足問題などを考えると、
「飼えない」という結論にたどり着く。

先日、友人の家に遊びに行った。
彼女は猫を飼っている。
夫婦そろって無類の猫好きで、
過去に何等かのトラウマを受けた猫を数年前にもらい受けた。
初めは怯えていたその猫も
2人のあふれる愛情のおかげで心を開き、
今ではのびのびと幸せに暮らしている。
しかし部外者が来ると
寝室にこもったまま絶対に出てこないらしい。

彼女が猫を飼ってからは、初めての訪問だった。
目的は生まれたばかりの彼女のBabyちゃんに会うためだ。
もちろん猫にも会いたかったがあえて触れずにいた。
するといつの間にか猫が私の足元にひょっこりと顔を出す。
一瞬びっくりして驚かせてしまったので
一目散に逃げてしまったのだが、また戻ってくると、
ピンと張ったしっぽを私の足に擦り付けてきた。

彼女に言わせると、出てくること自体が奇跡らしい。
しかもこんなに接近してくれるとは、
これは誇っていいのだろうか?
猫を飼えというお告げか?
類は友を呼ぶ… 猫が猫を呼んだということか。

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