ファーストネーム

文化の違い

カナダはファーストネームで呼び合う社会だ。
初対面の挨拶は、いつでもどこでも、
Hi, my name is 〇〇. もしくは Hi, I’m 〇〇.
(〇〇に入るのはファーストネーム)
カジュアルな出会いの場面では
名字まで名乗ることは、ほぼないと言っていい。

そしてその瞬間から、
ファーストネームで呼ばれるようになる。
もちろん呼び捨てだ。
個人的に、ファーストネームで呼び合う習慣は大好きだ。
日本の感覚だと、自己紹介で名前を言われたからといって、
いきなり呼び捨てにするのはちょっと気が引ける。
日本語には”さん”とか”ちゃん”のように
クッションとなる便利な言葉あるが、英語にはない。
ただ、英語名だとそれが気にならないのが不思議だ。

困るのは一回では聞き取れない、
もしくは正しく発音できないときだ。
L&Rは、マジで永遠の敵。
みんながBobとかMaryとか簡潔な名前ならいいのだが、
キャロラインなのかキャロリンなのか、(☜まさにL&R)
クリスティーなのかクリスティンなのかクリスティーナなのか、
微妙な違いに戸惑うことも少なくない。
相手はすぐに私の名前を言ってくれるのに、
私は同じように口に出せず申し訳なく感じてしまう。

名前を交換すると、
こちらの人は、聞いたばかりの名前をすぐに会話に挟んでくる。
質問する時は相手に視線を向けるだけで
誰に質問を投げかけているかは大抵分かるものだが、
英語では、文頭もしくは文末に
必ずと言っていいほど相手の名前を入れる。
単に Thank you や Nice meeting you と言う時でさえ、
Thank you, ○○ / Nice meeting you, ○○と
名前を言われることが多い。
初対面の人にいきなり名前を呼ばれるとドキっとするのだが、
(学校の先生にいきなり指された時のような気分…)
英語だと分からない部分は適当にスルーして聞いているので、
はっきりと名指しで話かけてくれるのはありがたい。
一言も逃すまいと全神経を集中できるし、親近感もわく。
”あなたに興味をもっていますよ”という思いが感じられ、
距離を縮めてくれる気がするのだ。
これは、英語という言語がもつクレバーな一面だと思う。

ファーストネーム主義の負の面はというと…

うちの旦那は話が長いタイプだ。
前置きが長く核心にたどり着くまでの寄り道も多い。
そして失礼ながら、説明が下手だなと感じることもよくある。
分かりにくいと感じるのは、
私の英語力のせいもあるかもしれないが、
ネイティブであれば絶対に理解できているのか?というと
それも怪しいときがある…

昨日、友人と行ったご飯の席で、
「例の親戚訪問はどうだった?」と
振られた旦那が話し始めたのだが、
そもそもすべての登場人物を
ファーストネームだけで説明するので話が見えてこない。
誰も旦那の親、兄妹の名前など知らない。
「まずはドーンとマイケルの家に…」と言われたところで、
ドーンって誰?って話だ。

エピソードが進むにつれて叔父やら従妹やら、
更には彼らの子どもたちまで出てくるのだが、
すべてご丁寧に名前で呼ぶ。
そんなにファーストネームを言いたいか?と
ツッコミたくなる。甥・姪で事足りるだろ…と。
そんな会話も、
ファーストネーム慣れしているネイティブなら
ついていけるのだろうか?
いやいや、そんなわけはない。
「belongs to who?」と何度も突っ込まれていた。(笑)

この分かりづらさは、説明下手なうちの旦那だけかもしれないが、
旦那に限らず、誰もが自分のエピソードを語る時、
身内だろうが友人だろうが、必ず名前を言う傾向がある。
日本では、その名前が話の鍵を握るとかでない限り、
いちいち名前を言わないだろう。
これもカナダに来て感じた文化の違いの1つだ。

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