物は大切に

物を大切に扱う。
”もったいない”という言葉がある日本では、
『物を大切に扱う』という考え方が
比較的浸透しているのではないかと思っている。
私も幼いころからそう教わってきたし、
自然と身についている。

うちは3姉妹だったということもある。
物の扱いは丁寧だった。
私は小学校3年生の時に引越しで転校した。
最後まで泣いて引越しに抵抗したのを覚えている。
まだ慣れない居心地の悪い教室で、
2人の女の子に見つめられているのに気付いた。
お友達になりたいと近づいてきてくれてのだが、
興味を持ったところが、
『給食の割烹着を毎回きれいにたたんでいる』
姿だったらしい。

えっ?普通たたむだろ。
給食の割烹着は毎日着る。
専用の袋に入れて最低でも1週間は教室に置き去りだ。
たたんでしまわなかったら翌日はしわくちゃだぞ。
そんなものは着たくないし見たくない。
この学校の生徒は誰もたたまないのか?
私にとっては結構、衝撃だった。
気にしたことはなかったが、
前の学校のみんなはどうしていたんだろう?

そんな感じの小学生だったが、
それでもなぜか、
姉の方がすべてにおいてきれいだったのは不思議だった。
姉の持ち物は私よりもいつもきれいで
新品状態が長持ちする。
一番記憶に残っているのはオルゴール。
誰かからのプレゼントで、
色違いのオルゴールをもらった。
机の引き出しに大事にしまっておいたのだが、
姉のは月日が経っても新品のような輝きがあるのに対し
私のは年相応の錆や黄ばみが表れる。
何なん、この違い?

とにかく、何にせよ物を大切に扱う習慣がある。
物によっては最初からプロテクションを施すこともあれば、
絶対に濡れないように注意したり、
決まった場所に必ず保管したりして劣化を防ぐ。
その点で、うちの旦那の奔放さはには
目を見張るものがある。

今朝は雨模様だった。
夜のうちに雨が降ったようで庭はすっかり濡れている。
窓の外を覗いてまず目に飛び込んできたのが
無残にも雨ざらしになっているノコギリだ。
昨日はいいお天気で、
満を持して庭仕事に精をだしていた旦那。
しかし、彼の悪いクセ
やりっぱなし』が招いた悲劇だ。
(悲劇と思うのは私だけだが…)

そのほかにも、作業用グローブや靴、
いろんなものがそのまま庭に放置されている。
すべてずぶぬれである。
個人的には全部ありえないのだが、
やはり一番気になるのはノコギリだ。
遠目から見てもすでに茶色いノコギリなのは、
今までの管理がズサンだった結果ともいえなくない。
「ノコギリ濡れちゃって大丈夫?」と
チクリと言ってみたが、
「うん、大丈夫じゃないね」とだけ返ってきた。
反省の色は見えない。

そもそも使い物にならなくなったら
新しい物を購入すればいいという考えなのだろう。
この考え方、私は嫌いだ。
もっと物を大事にする心をもってほしい…

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