人間の忍耐力は、最近落ちてきているのではないかと思う。
スーパーのレジで、レジ係の若い女性に暴言を吐くオヤジを見た。
レジ係はそれにまったくの無反応で(拍手!)
オヤジのひとり言になっていたのが滑稽だった。
そもそも「カナダあるある」の一つで、
設置してあるレジが全部稼働していることは少ない。
初めて見たときは首を傾げた。
10列のレジがあっても、3つくらいしか稼働していない。
たとえどんなに行列になっていても、新しいレジが開くことはない。
何のために10列分のレジを作ったのだろうか…
こちらの人は1,2週間分の大量の買い物をするので、
一人の量がものすごい。
さらには、クーポンを使う人、
値段をいちいち確認してから、買う買わないを決める人、
現金をキャッシュバック*する人、
(*これは便利だなと思った。
どうしても現金が必要な時、銀行代わりに、
スーパーなどのレジで現金を引き出せるというか、
レジで申告すると、その分をスーパーが立て替え?てくれる)
等々、レジで余計な時間のかかる人も多い。
これは、今に始まったわけではなく、
昔からずっと変わらない。
レジは時間のかかるもの。気長に待つしかないのだ。
最近はセルフレジの導入もされている。
冒頭で出てきたオヤジの暴言はこれに付随していた。
そのスーパーに導入されているセルフレジは現金が使えない。
現金払いの人は自動的に人がいるレジに並ぶことになる。
そこで待たされたあげく、自分の前の客たちが
みなカード払いをしていたことが気に入らなかったようだ。
「俺は現金しかねえんだ。だからこっちに来たのに、
みんなデビット、デビット、デビット。ふざけんじゃねえ」
しかし腹を立てるポイントがずれている。
カード払いの場合にセルフレジを使わなければいけない規則はない。
この列が現金専用のレジなわけでもない。
カード払いは時間がかかるとオヤジは思っているようだが、
現金でちまちま払おうと、えらく時間がかかる人だっている。
むしろ、セルフレジに流れる人ができた分、
昔とくらべて全体の待ち時間は減っていると考える方が妥当だ。
「カード払いする奴のせいで現金払いの俺が待たされる」
という見当違いの罵声を浴びせられるレジ係が気の毒になる。
カードだろうと現金だろうと、昔から待つ時間は変わっていない。
強いて待ち時間が短くなった人がいるとしたら、
セルフレジを利用する人たちだろう。
(それでも混んでる時はここにも列ができる)
となれば、もしオヤジが愚痴を言えるとしたら、
「現金の使えるセルフレジにしてくれ」ではないだろうか?
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