みんなの目の色が違う…
1人の若者が加入しただけで、
いつものバレーボールがまったくの別物になった。
昨日は、病欠メンバーがでて、
サブが1人入った。
現役大学生の若者で、
我々の古くからのバレー仲間でもある人の息子さんだ。
”プレーしたい!”というラブコールが
ここ数週間続いていたらしいのだが、
珍しく欠員が出ず呼べずにいた。
そして昨日、彼にやっと出番が回ってきた。
過去にも数回参加したことはあるが、
セッターとのタイミングが合わなかったり、
ボールの配給*が安定しなかったりで
(*セッターはローテーションなので
必ずしも上手ではない)
その実力が十分に発揮できずにいた。
もちろん、タイミングが合った時の破壊力は
誰もが知っている。
しかし、その確率が低かったため
それほどのインパクトがなかったのだが
昨日は暴れまくった。
見とれてしまうほどのジャンプ力。
肩から上が完全にネットの上!
日頃ブロックが得意な人たちの”指”すら
かすりもしない。
オジさんたちの顔はだんだんと白くなっていく。
もちろん彼だけが打ち続けるわけではないので、
スコアはそれなりに競っているのだが、
彼がスパイクを打ち込む度に
相手チームの士気が萎えていくのが見てとれる。
ブロックにかすりもせず
高い打点から叩き込まれるボールの威力はすさまじい。
しかし、簡単にやられてしまうようなオジさん連中ではない。
かつては同じように高くジャンプしていたであろう
老練なおやじたちのプライドがジワジワと滲み出してくる。
体育館には異様な空気が張り詰めていた。
1ゲームが終わり水分補給の休憩に入るが
誰一人しゃべらない。
ただ黙って水を補給し、
それぞれどこか遠くを見つめて物思いにふけっている。
スキルのあるプレーヤーが1人入るだけで、
グループ全体のレベルが1段も2段も上がる。
これは本当に不思議で、
誰もが真剣にボールを追い、
つなげようという意志が強くなっていく。
(いつもどれだけダレてんだ?)
その思いがいいリズムを作り出し、
ミラクルプレーが続出する。
ワン・ツー・スリーのリズムでラリーが続くと
攻守ともに乗っていきやすい。
後半に入ってくると、
少しずつ若者のスパイクがプロックにあたるようになり、
ノーブロックでコートに突き刺さるスパイクが
レシーブされるようになっていく。
そんな簡単にやられてたまるかという
オジさんたちの意地を見た。
疲れを感じることもなく、
さらにはもっとプレーしていたいと思えたのは久しぶりだ。
こんな質の高いバレーが毎週できたらいいのにな…
歳を重ねても若者と戦えるのが
ノンコンタクトスポーツのいいところ。
それにチームスポーツであることも大きなポイント。
1人vs6人であれば勝ち目は十分にある。
バレーボールって楽しい…
オジさんの意地

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