採点

言葉

初稿で提出した翻訳原稿のチェックバックが
返ってきた。
以前にちょろっと翻訳の仕事について触れたが、
翻訳者が訳した原稿は、
チェッカーと呼ばれる人がチェックをする。
チェッカーが手直しをして
そのまま納品というケースもあれば
直した原稿を一旦翻訳者に戻し、
更に原稿を修正するというケースもある。

今回いただいたお仕事は後者で、
チッカーさんのチェックが入った原稿が
翻訳者に戻される。
それが私には恐怖でしかない。
以前のトラウマが今も尾を引いている。
その記事はこちらから⇩

まさに採点をされているような心境だ。
プロとして仕事をしているのに
”採点”というのも変な話だが、本当にそう感じる。
メールを開けるのにしばしの時間が必要だった。
そしてまた、大量の修正に気分がドーンと沈む。
しかし救われたのは、
今回はチーム全員が同程度の修正量だったこと。
前回は、自分だけが飛びぬけていて
ショック死寸前だった。

別件でご一緒したチェッカーさんは、
誤字・脱字、日本語の使い方の間違いといった、
基本的なルールを中心としたチェックで、
誤訳や、前後のつながりの不自然さなど以外は、
手を入れない方だった。
しかし、今回(前回のトラウマ時も)の方は、
とことん変更を加える。
ってか前回は、
もうあなたが最初から全部訳した方が
早くないですか?と思ってしまったほどだ。
(自分の能力の低さを棚に上げて
勇気を出して言ってみるが)
私の訳は一体どこへ…?状態である。

修正された原稿を見れば、
その方の語彙力の幅広さや、
表現力の豊かさなどが見て取れる。
それぞれの原稿を一つ一つチェックするには、
膨大な時間が費やされたはずだ。(多分…)
その熱量にも頭が下がる。
しかし…
私の日本語表現は
この方のツボにはまらないんだなと
感じてしまうこともある。
言葉のチョイスしかり並べ方しかり…
好みは人それぞれである。

また1つ仕事を終えて(まだ修正が残っているが)
悟ったのは、これは毎回のことではあるが、
言葉を紡ぐ修行がまだまだ足りないこと。
そしてもう1つ、
チェッカーの仕事は私にはできないであろうということ。
ビビりの私には、
他人の原稿にメスを入れることなどできない…

最近、ある案件で
同期の翻訳者がチェッカーを担当しているのを
目の当たりにした。
すごい…
驚きと共に尊敬の念を抱いた。
たとえ落ちこぼれでも
昨日の自分より今日の自分が成長できるように
一歩ずつでも歩みを進めていこう。

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