活字を読むのは昔から好きなのだが、
本の虫と言われるほどの本好きではない。
というのも読みたい本はたくさんあれど、
睡眠欲にはどうしても勝てないのだ。
かつて友人と「何欲」が一番強いかという話をしたことがある。
「性欲」だと言ってはばからない友人に対し、
私は迷うことなく(友人も納得の)「睡眠欲」だった。
それくらい睡眠を愛してやまない。
一番幸せな時間は?と聞かれても答えは同じだ。
「寝ている時」が一番幸せだ。
話を本に戻そう。
私が興味をそそられるのはフィクションが多い。
食わず嫌いと言えなくもないが、
啓発本やビジネス本にはあまり惹かれない。
そして評判の高い本や人気の作家が
必ずしも自分のツボにはまるとは限らないのが面白い。
人に勧めてもらっても、一向にページが進まないこともあるし、
文字通りpage-turner
(読み出したらやめられない本)に出会うこともある。
そもそも「学校」というものが苦手な私は、
トロントに来た当初、語学学校ではなく
チューター (家庭教師のようなもの) から英語を学ぶことを選んだ。
そのチューターにまず勧められたのが、
本をたくさん読むことだった。
それもネイティブの小学生ぐらいが読む本を
どんどん読むようにとアドバイスされた。
そしてまっすぐ本屋へ向かった私の目に留まったのは、
ロアルド・ダールの「ガラスの大エレベーター」だ。
映画にもなった「チョコレート工場の秘密」の続編を選んだのはご愛敬。
本棚にずらっと並ぶ本から一体何を選べばいいのか見当もつかない。
ストーリーや作家の文体によっては興味が続かない可能性もある。
知っている/好きな作家がそもそもいないとなれば
ストーリーを少しでも知っている方が入りやすい。
そして私の場合、表紙も大きなポイントになる。
カラフルで可愛らしいロアルド・ダールの本は
その点でも私の基準をクリアした。
ただ、その時はあまり本に入っていけなかった。
その数年後、仕事で知り合った英語が堪能な同僚に勧められたのが、
同じロアルド・ダール著の「マチルダは小さな大天才」だ。
この本に出合って一気にロアルド・ダールのファンになった。
そして英語の本を読む楽しさを知った。
小学生が読む本といえども、知らない単語がたくさん出てくる。
その多くは感情を表す単語だった気がする。
そのため、話の流れからここは「怒り」に値する単語だろうなとか、
「悲しい」んだろうな等と、ある程度推測ができる。
英語の本を1冊読み切るには、分からない単語を読み飛ばすことも重要だ。
1つ1つ辞書を引いていたのでは、息切れして完走できない。
100%理解できなくても1冊読み切ることで、
一種の充実感を味わえ、2冊目を読む意欲がわく。
これよりも前に英語の本を数冊読んではいたが、
英語の本を読むことに対して
妙な緊張感を持たなくなったのは
この本がきっかけだった気がする。
もし英語の本に挑戦してみたい、
あるいは英語の勉強に読書を取りいれようかと考えている方がおられたら、
ぜひ児童書を手にとってみてはいかがだろうか…
ロアルド・ダール作品ベスト3(独断と偏見)
#1 Matilda (マチルダは小さな大天才)
#2 The BFG(オ・ヤサシ巨人BFG)
#3 Charlie and the Chocolate Factory (チョコレート工場の秘密)
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