アパートの管理人

旦那

管理人って一種の仕事だと思う。
だから、やるならそれなりの対価があっていい気がする。
うちのアパートの建物は、1階にお店が2店舗。
住居はお店の後ろに2戸、2階に4戸ある。
カナダはセントラルヒーティングなので、
このすべてが一つの令暖房器具で賄われている。
暖房から冷房への切り替えは、
大元のセッティングを切り替える必要があるが、
それ以外で室内の気温を調節するには、
2階の廊下に設置されているセンサーのツマミをいじることになる。
ただし、このセンサーには鍵付きのカバーがかかっている。

基本的には、センサーが廊下の気温を自動で察知し調整するのだが、
季節の変わり目などは天気が安定しないため、
外気と建物内の気温の変化に大きなズレが生じる。
そのため、暑すぎたり寒すぎたりといった現象が起こる。
ベースメントが一番気温が低く、上へ行くほど暖かい。
上と言っても2階までしかないが、温度差はかなりある。

そしてそのセンサーの鍵をなぜかうちの旦那が所持している。
「暑い~!」「寒い~!」と、
てんでんバラバラな電話がよくかかってくる。
その度に旦那は出動していく。
最近の人間はみんな忍耐力がない。1日でも暑い日があると、
2階の住人は「ヒーターを切ってくれ」やら
「冷房を早く入れろ」とわめきちらす。
うちが入居する前は、ここの住人たちはどうしていたのだろうか?

1階とベースメントの我が家はヒーターを切られたら凍える時期がある。
そしてやっとヒーターなしで過ごせるようになる頃には、冷房が入る。
空調の出入り口を詰め物で全部塞いでも、夏の間は手足が凍る。
奴らはそんなことは露ほども知らんのだろう。
好き勝手に文句ばかりたれる。

先日、その冷暖房機がおしゃかになり新しく入れ替えることになった。
朝から何やら忙しそうに電話をしまくっている旦那。
本来ならそういった段取りを組むのはビルのオーナーの責任のはずなのだが、
何故かうちの旦那がすべて行っていた。
業者を呼び、それぞれの都合のつく時間を調整している。
隣の店は休みらしく、入れるのはビルのオーナーしかいない。
となれば、それこそオーナーと業者が直接話した方が早いと思うのだが、
いつまでたっても旦那は業者とオーナーの間に入って交渉をしている。
理解に苦しむ…

このオーナーは人は悪くなさそうなのだが、
オーナーとしての側面は、
対応が超絶遅くプロフェッショナルさの欠片もないので、
私はあまり信用していない。
信じられないことが続き、超キレまくった時期もある。
旦那が管理人の代行みたいなことをしていることに
腹を立てたこともある。
ただ旦那は、そのおかげで家賃の大幅な値上げを阻止できているのだと言う。
本当にそうだろうか?簡単には信じられない…

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