私はスポーツ好きで通っているが、
あくまでも陸上のものに限る。
地に足がつかないものは管轄外だ。
中でもスイミングは
子どもの頃からコンプレックスを持っている。
海なし県育ち、
両親ともアウトドアタイプではなかったこともあり、
水とは無縁の人生だった。
学校の水泳の授業だけでは、
きちんと泳げるようになどならない。
自己流で何とか25mは泳げたが、
ほとんどもがいてたどり着くレベル。
“泳いでる”とは程遠い。
体力の限界というよりも、
呼吸が苦しくてそれ以上続かない。
スイミングスクール仕込みで
優雅に泳ぐ友達を横目に
なぜ水泳を習わせてくれなかったのかと
親を呪った…
そして大人になってから水泳を習った。
体育系専門学校に進む際に、
カリキュラムに水泳が含まれていたこともあって
スイミングスクールの門を叩いた。
そこで、クロールと平泳ぎのコツは身につけたが、
長距離を泳ぐための楽な呼吸は
習得できないまま今に至る。
専門学校の水泳の授業で、
ウォーミングアップに
いきなり4泳法で泳がされた時は
腰が抜けかけた。
ほぼみんなが何の問題もなく泳げている。
これが普通なのか???
スクールで習い始めの段階で終わっていた
背泳ぎを試みたものの、先生に
「君の泳ぎ、急に変わったね」と驚かれた。
そりゃそうさ。
クロールと平泳ぎしか
マスターしていないのだから無理な話だ。
背泳ぎはおろかバタフライなど泳げる訳がない。
コンプレックスが膨れ上がる。
イルカと泳いでみたいという夢があるが、
頭で描いているように優雅に戯れるには
あまりにもスキルが足りなさすぎる。
プールという箱の中しか経験がない者にとって、
自然界の水の中は恐怖でしかない。
専門学校のカリキュラムの中で、
立ち泳ぎを覚えはしたが
数分も持たない。
足がつかない深さは一気に恐怖に飲みこまれる。
泳げないわけじゃない。
でも、ずっと浮いていられるスキルがない。
疲れたらどうすればいいのか…
360度見渡しても
掴まるものがどこにもないなんてあり得ない。
ラッコのように浮いている旦那が恨めしい。
今お世話になっている家の友人夫婦も
ストロングスイマーだ。
一緒に湖に泳ぎに行くが、
私1人だけ足の着く深さにとどまり
先へ進んでいく皆を見送る。
遠くにプカリと浮かぶラッコ3匹を眺めながら
ひとり仰向けに浮く練習に勤しんでいる。
スイミング

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