一抹の寂しさ

日々の暮らし

旦那の実家で過ごすホリデー期間。
相変わらず旦那の情報の小出しにイラついていた。
クリスマスの翌日はBoxing dayという祝日。
様々なお店がBoxing day sale!と銘打って
大幅な値引きをするショッピングデーだ。
ただ祝日なので
飲食店はお休みしているところも多い。

旦那は高校時代の友人と会おうとしていたのだが、
その情報が私には一切流れてこない。
これは毎度おなじみで
私の鋭い嗅覚?が旦那の企みをかぎつけ
どういうプランなのかを問いただす。
しかし、Well…と言ったきり、
返事は永遠に返ってこない。

9時(遅っ!)に起きたはいいが、
朝食を義母の家でとるのか、
このまま出かけてブランチになるのか、
はたまたディナーをするのか?
結局、朝食のお預けを食らったにもかかわらず、
ブランチでも何でもなく
2時にカフェでお茶をするだけになった。
私はモカとクロワッサンを注文した。
甘+甘のチョイスをしてしまったのは
我ながら失敗だった。
なぜコーヒー or 紅茶にしなかったのか…
空腹がただ単に甘さだけで埋められ、
微妙な満たされ感だけが残った。

友人と別れた後、
旦那の叔父の家に立ち寄った。
昨日はどんよりとした曇りの日で、
電気をつけないと家の中も薄暗い。

叔父さんは目が不自由だ。
大人になってから徐々に視力を失い
今ではほとんど見えないらしい。
私たちと同年代の息子が2人いるが、
離婚を機に母方についた息子たちは、
今もBC州に住んでいる。
家族が集う大事なクリスマスでも
父親の顔を見に帰ってくることはしないし、
電話もない。

どういう事情があったのか私は知る由もないが、
旦那も義母もそれについては
”ひどい”とこぼしている。
そんなわけで、叔父さんは一人暮らしだ。
料理もするし、得意のドラムで
バンド仲間と演奏に出かけることもある。
ご近所さんともいいお付き合いをしているようで、
かわるがわる訪れる人たちがいる。
昨日も、お向かいさんが
手作りのクリスマスケーキや
クッキーの差し入れを持ってきた。
皆が叔父さんのことを気にかけ、
手助けしてくれている暖かさが感じられ
そににはほっこりさせられる。

ただ、私たちが家に着いた時、
叔父さんは独り
リビングのソファに腰を掛けていた。
電話で誰かと話をしていたようだが、
部屋の明かりは一切ついておらず
テレビもミュージックもついていなかった。

ポツねん…

薄暗い部屋。
音のない部屋。
だだっ広い部屋に独りきり。
そこには一抹の寂しさが漂っていた。
そして今まで聞いたことのなかった
叔父さんの人生話を少し聞いた。
独り暮らしになって28年経つという。
その間、去っていった息子たちとも
どんどん疎遠になっていき
視力をほとんど失くして今に至る。

今回のホリデー初日は、
この叔父の家でみんなで夕食を取った。
食後のお皿洗いを、いつもは私が買って出るのだが、
「今夜はホッケーもないし(叔父はホッケー好き)
やることが何もないから
やることを残しておいてくれよ」と
やんわりと断られた。

目が見えない人とは思えないほど、
自分で何でもしてしまう叔父だが、
私はふとした瞬間に、
目が見えないことの絶望感や寂しさを
叔父の姿から感じとり、ひとり震えている。
もし自分だったら…?

旦那にいちいちイラついていることが
急にくだらなく思えてくる。
そばにいてくれる人がいて、
五体満足で生活できることに
もっと幸せを感じながら生きていこうと思う
2024年の年の瀬である。

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