選り好み

旦那

カナダ人は本当に忠誠心があるというのか、
ピッキーというのか… 
新しいものに挑戦しない。
特に食べ物。
コレ!って決めたら一生同じものを食べ続ける。
カフェで働いていた時もつくづくそう感じた。
もう、毎日キャロットマフィン。飽きないんか?

考えてみれば、私も家での朝食は同じものを食べてるし、
日本にいた時のランチは、安く上げようとすると、いつもおにぎりだった。
確かに好きな味があって、ついついそれを買ってしまうというのは分かる。
私も定番の具のおにぎりを頻繁に買っていたことを認める。
でも、気分転換に他の具を選ぶときもあるし、
何か新作が出れば試すことだってする。
時には奮発して2倍に値が張るものをチョイスすることもあれば
たまにはサンドイッチにすることだってある。

しかし、カナダ人はそういった”浮気”を全くと言っていいほどしない。
うちの旦那もその一人。
そして無茶苦茶腹が立つのが、
“私の味”に興味を示さないこと。

日本食に興味を持たせることは、とうの昔に諦めている。
どちらかというとスパイシーな味付けが好みの旦那には、
(とは言っても、他のカナダ人に比べると
決して辛さに強いわけではない)
日本食の優しい味はパンチが足りないのかもしれない。
まずいとは言わないが、ほぼ無反応だ。

昨日、出かけたのでスイーツをお土産に買って帰った。
今月は珍しく遠出が続いている。
冗談なのは承知だが、手ぶらで帰ると
「お土産は?」という決まり文句をささやかれる。

出先の近くに、
日本のベーカリーが新しくできたと聞いていたので、
ちょっと覗いてみた。
高くて最初は躊躇したが、まず食パンを注文。
横にきれいなペイストリーが並んでいたので、
いいお土産になるかなと思い、値段を見ないフリして購入した。

にもかかわらず…だ。
夕飯は手抜きでいつものパブだった。
旦那は、食後に甘いものを欲しがるタイプなので、
帰宅してゆっくりしているタイミングでスイーツを出そうとした。
するとーー
私がクリームブリュレを半分にカットしているところへやってきて、
「おお~っ!」
喜びの歓声かと思いきや、「一口でいい」

はぁ??

「今お腹一杯だから…」

いやいや、さっきから何度も冷蔵庫を開けて
何か欲っしてたやん!

本人がそう言うので、仕方なく1/4ずつだけ食べた。
本当は鮮度が落ちるので食べきりたかったが、
私自身は甘党でないので、半分は翌日に持ち越すことに。

ところがその後の彼の行動がカンに触った。
何度もキッチンへ行って何かを探しているかと思えば、
自分の大好きなレーズンクッキーを食べ始めたのだ。
「今腹いっぱいだから一口でいい」と言ったのは、
どこのどいつやっ!!
その後も、フルーツやらポテトチップスやらを食べ続けた。

そして今朝。
固くなってしまう前にと思い、
朝食後に残りのクリームブリュレを食べないか提案する。
ちょうどコーヒーもあるしグッドタイミングだ。
ところが、「今お腹一杯だから」と2度目の拒否権を行使してきた。
ウソつきやがれ!!
たった1/4、一口サイズの量すら入らない
そんなちっさな胃袋だったか?
自分で買ってきたデカいシナモンバンがある時は、
ルンルンで食べるくせに!!!

昨夜は何も言わなかったが、
今朝はさすがにキレ、
「もう2度とお土産は買ってこない」宣言をした。

「このブリュレは最高においしかったよ。
それはウソじゃない。でもお腹一杯なんだ…」
何のフォローにもなっていない。
おいしかったら食べたくなるものだ。

実はこれは、今回が初めてじゃない。
日本のスイーツだけじゃなく
こちらのお店のスイーツでも結果は同じ。
要は、他人のチョイス(慣れないもの)には
興味が湧かないということだ。

自分の知っている、自分の好きなものしか喜べない。
なんと可哀想な人だろう。
世界中には驚くほどたくさんのおいしいものがあるのにね…
一生、レーズンクッキーとシナモンバンを食べているがいい。

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