うちは旦那が料理長で、私はディッシュウォッシャー担当だ。
(響きがマシな気がするのでカナカナにしてみたが、要は皿洗い…)
料理は、ほぼしたことがない状態でカナダへやって来た。
ご飯を炊くことと、味噌汁&カレーが作れる程度だ。
ただ、「やればできる子」なので(と言い聞かせている)
簡単なものであればレシピさえあれば作れる。
(ググれば何でも出てくる便利な世の中になったもんだ)
実際、大失敗したことはないと自負している。
1日のなかで、最低1食は白米が食べたいほどのお米党の私が
カナダへ来てからは、パン・パン・芋・パン・パスタ・芋…
ある日、麻婆豆腐が無性に食べたくなり、
夕飯に作って旦那の帰りを待っていると、
ドアを開けて入ってきた彼の顔が一気に曇り出す。
そして一言、発した言葉は「何このニオイ?」… チ~ン!
部屋にはごま油の食欲をそそる香ばしさが漂っていたのだが、
旦那にとっては何やら得体のしれないニオイに感じたようだ。
鍋の蓋を開けて中身を覗くと、
「これは明日の君ランチにしたら?
今夜はピザを食べに行こう」とあっさり却下。
二度と作ってやるもんかと心に誓った。
私がつくった料理に対する反応は
いつも決まって “meh・・・” だけ。
親子丼、生姜焼き、野菜餃子、ちゃんちゃん焼き、
カボチャの煮つけ、肉じゃが…
何の変哲もない料理だが、私がずっと食べてきた大事な味/食事だ。
しかし残念ながら旦那には響かない。
日本食の優しい味が物足りないみたいだ。
(というより繊細なうまみを味わえる舌を持っていないと思う)
なので、料理人でない私は、
あれこれアレンジを加えて旦那の胃袋を掴むよりも、
自分が相手の好みに適応してしまう方が手っ取り早いと判断した。
とうの昔に料理長への道は諦め、
お米は別々に取るランチで食べることにした。
ただ、当然手抜きになるので大したものは食べていない。
旦那が一人で外出する日の夜が、特別な日本食の出番になる。
昨夜、町内のミーティングで旦那が外出した。
ただ難点が一つ…
急に一人飯のチャンスがやってきても、
我が家の冷蔵庫には必要な食材がほとんどない。
(料理長のチョイスで仕入れされているため…)
自宅勤務ということも手伝って、
日本食があるスーパーへ出向く機会も減り、
納豆や乾燥わかめなどの常備食もすでに切らしていた。
玉ねぎだけのお味噌汁、出し巻き卵、数日前に作ったひじきの煮物。
たったこれだけの質素な夕飯になったが、至福の時間を味わった。
この出し巻き卵のだしのうまさ…
永遠に分かんないんだろうなぁ。
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