みんなウェルカム

南アフリカ出身の友人は、
とても社交的で人を惹きつける非凡な才能がある。
旦那と私も、彼に惹きつけられた人たちのうちの1人だ。
そして彼の家族が、これまたすばらしい!!!

私は社交の場が大の苦手だと前の記事で書いた。
知らない人の中に簡単には入っていけない性格だ。
しかし、彼の奥さんもとても魅力的な人で、
すぐに居心地の良さを感じるようになった。
そして、2人の南アフリカ行き (帰省) に便乗させてもらい、
4人で旅行することに。それが約1年半前だ。

訪れた南アフリカでは、彼の家族にたくさんお目にかかることになった。
(そりゃそうだ。「帰省」なのだから最大の目的は家族に会うことだろう…)
4人でトロントの空港を発つ当日、
「まだ言ってなかったけど…」と意味深な発言が飛び出した。
笑いながら、「ストレートなのはうちらだけだから」と。

最初の1週間を過ごす予定のコテージには、
彼の兄、弟、従弟、元妻がそれぞれパートナーを伴い
集結することになっていた。
なんと、その4人すべてが同性のパートナーを持っていたのだ。
面白いのは元妻だろう。
離婚の理由もいつ頃別れたのかも、詳しい事情は一切知らないが、
別れた後も家族ぐるみでとても仲がいい。
彼女はパートナーとトロントに住んでおり、
彼 (私たちの友人) との間にもうけた娘と息子、
そして現在の彼の奥さんと共に、
互いの誕生日パーティや、キャンプ、旅行など色々楽しんでいる。
彼の家族・親戚との関係もほとんど変わっていないらしい。

私たちは、そんな家族水入らずのバケーションに割り込んだ異邦人だ。
旦那はそういうことを全く気にしないタイプだが、
私はノミの心臓なので、「場違いな所」へ来てしまったのでは?
「迷惑では?」などと心配が絶えない。
ところがこのご家族は、そんな私の心配を一瞬で吹き飛ばしてくれた。
不思議なことに一緒にいても、
少しも「アウトサイダー感」を感じさせないのだ。

そして旅の後半の1週間は弟さんの家にすっかりお世話になり、
更に別の親戚たちと食事などを共にする機会もあった。
誰もが突然お邪魔した私たちを、笑顔で「ウェルカム」してくれる。
それが決して社交辞令ではなく、
ごくごく普通の対応であることが伝わってきた。
本当に不思議な経験だった。

奇しくもこの6月最後の週末は、
トロントでプライドパレードが開催されていた。
LGBTQ+コミュニティーを祝うイベントであるとともに、
フレンドシップのシンボルとなるイベントとも言われている。
彼の息子さんの結婚式はそんな週末に開かれた。
新婦のご両親もこれまた飛びぬけた「ウェルカム」精神の持ち主で、
素敵な人たちは、更に素敵な人たちを引き寄せるのだと
心から実感した週末だった。

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