BBQ

カナダ/カナダ人

日本は尋常じゃない暑さが続いているらしい。
世界中で気候の異変が起こっていると感じる昨今、
カナダも例外ではない。
しかしありがたいのは、そんな暑い日が長くは続かないことだ。
昨日は、数日続いた暑さが一気に落ち着き寒いくらいだった。

この週末は友人宅でのBBQに誘われた。
湿度もありトロントとしてはかなり暑い日で、
外にいると日陰にいてもじわじわと汗ばむ感じだ。
ただ、日本の暑さと比べたら屁でもない。
この10年近く夏には帰国していないので、
10年前の日本の暑さと比べても
カナダはまだまだマシということだ。
現在の日本の夏は…想像するだけで恐ろしい。

BBQと言えば、
カナダも一家に1台はあるのではないかと思うほど、
BBQコンロが普及している国の一つだろう。
1軒屋であれば、大抵は庭にでかいコンロが常設されている。
アパートやコンドでさえも、
バルコニーにコンロを置いている人が多い。
残念ながらうちには常設の大きなものはないが、
ポータブルの小さいコンロを使っている。

カナダで生活を始めてから、
”ああ、カナダっぽいっ!” と感じた瞬間は色々あるのだが、
BBQコンロもその一つに入る。

カナダに来てまだ間もない頃、真冬に停電が起きた。
大雨や吹雪などの天気の影響で起こることが多いが、
停電してもすぐに回復することがほとんどだ。
その日も、ちょうど夕飯の支度をしようかと思っていた時に
ブチっと突然電気が消えた。

こちらでは、電気コンロが主流なので停電になると一切使えない。
うちもそうだが、おそらく他の家の人たちも考えは同じだったと思う。
”すぐに回復するだろうから、電気が戻ったら夕飯を作ろう” と。
ところが、待てどくらせど電気は戻らない。
2時間~3時間くらい頑張っただろうか。
そろそろ空腹感が最高潮に達し、これ以上待てないと思っていた矢先、
窓の外にポッと小さな明かりが灯る。
とっくの昔に日が暮れて、外は真っ暗だ。
そんな中、一つまた一つと小さな明かりがつき始めた。
お腹が空いているのは皆同じ。
停電の回復を待つことをあきらめた近所の人たちが
一斉にBBQをはじめたのだ。

そう、BBQは停電になっても使える調理器具。
あっちでもこっちでも、冬にもかかわらずBBQが始まった光景は
カナダに来たての私にとって、外国にいることを実感するのと同時に
ほのぼのとした気持ちになったのを覚えている。

週末のBBQはリブステーキと
ホットドック用のソーセージにトウモロコシ。
やはり厚みのある肉を焼くにはBBQが最適なのだろう。
ステーキを食する文化には欠かせない調理器具であるとともに、
緊急時にも役立つまさに一石二鳥の優れものだ。
電気に頼りっきりの現代には、必需品と言えるかもしれない。

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