家族のつながり

家族

うちの家族はどちらかというとドライな関係だ。
いがみ合っているわけではないが、
めちゃくちゃ仲がいいわけでもない。
3姉妹だと言うと羨ましがられることも多い。
だが若い頃は、服や小物の貸し借りはおろか
悩みを相談し合った記憶もない。

姉とは年子で、姉のクラスメートに
「〇〇の妹だ」と言われるのが嫌だった。
だから高校は
絶対同じところへは行かないと決めていた。
ところが、いざ高校に入ると
「お姉ちゃんがいるからこの高校を選んだ」
と言う人たちもいて驚いた。

大人になってからも私たち姉妹の
つかず離れずの距離感は変わらない。
今でも互いに知らないことの方が多い。
別に隠しているわけではないが、
”相談する”とか“報告する”という習慣がないのだ。

さらに、うちは親戚同士のつながりも薄い。
父方は祖父が教育者ということもあってか
すごく堅い雰囲気で、
毎年お正月だけ一堂に会す機会があったのだが
とにかく行くのが嫌でたまらなかった。
いとこと顔を合わせても
会話することなどほとんどなく、
その場に座ってただ大人の会話を聞いているだけの
実に退屈な時間だった。

母方はそれに比べると庶民的だったが、
うちの年齢が一番下で年が離れていることもあり
交流という交流は、ほぼなかった。
両親共々、社交的なタイプではなかった
というのも大きいだろう。
社交の場が大の苦手という私の性格は
そんな親の血筋と
育った環境を考えれば当然の産物なのかもしれない。

カナダに来て初めて義母と義理の叔父に会った時、
旦那と叔父さんの距離が近いことに驚いた。
これは文化の違いなどとは関係なく、
いたって普通なことなのかもしれないが、
私の人生には存在しなかった距離感だ。
旦那は気軽に親戚に電話をするし、
母親なしでも叔父さんの家に行って時間をつぶす。
日本語と比べて英語はカジュアルな言語であることも
会話の距離がグッと縮まって聞こえるゆえんだろう。
親戚との付き合い方を知らない私にとって
かしこまらずともよい英語は、
会話をするのに大いに助かっている。

さらには友人同士の集まりに、
兄弟姉妹どころか、いとこたちまで登場するのも
私にとっては未体験の世界だ。
これは何事も、
その時に自分の周りにいる人に声をかける
という習慣?文化?のなせる業だと感じる。
周りの受け入れ態勢も、
登場するいとこたちの振る舞いも
いたってフツーの友達感覚…
不思議な距離感だ。

私の家族が少し違うのは自覚している。
便りがないのは良い便り…
日頃、密に繋がってはいなくとも、
帰れば迎えてくれる家族がいるのは
なんと幸せなことだろう。













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