散髪

日々の暮らし

年に2回、ヘアサロンへ出向く。
本格的な夏が始まる前に、増殖した髪を一掃するため
大抵6月が私の散髪月になる。
(計算上、次の散髪は12月だ)
と同時に、最近はヘアカラーも最重要要素になってきている。
ヘアカラーと言えば聞こえはいいが、ただの白髪染めだ。

オフィスに出勤することもなくなり
ほぼ引きこもりの現在は、
自宅でするカラーの回数も減ってきた。
今回は、今までで最も白い状態でサロンへ行くことになりそうだ。
こんなに白髪が多いのは完全に父の遺伝子だ。

私の髪は、直毛で太く硬く量が多い。
毎度、美容師さん泣かせだ。
トップ部分は、それほど多いとは感じないのだが、
下へ行くほど、これでもか!というほど毛量が増していく。
美容院で豪快にすいてもらった髪も、
半年も経つとツタンカーメンの様相を呈してくる。

オーストラリアで美容師になった妹に
昔、髪を切ってもらったことがある。
「おねーちゃんの髪は超絶難しいから無理」と速攻断られたが、
ちょうど仕事をやめた時期で、出かけることもないから
失敗しても大丈夫と説得して切ってもらったのだが──
鏡に映る自分が、どんどん “かまやつひろし” になっていくのを
黙って見守るという貴重な体験をした。

妹の見解では、オーストラリア人の髪は柔らかく
カールしているので、適当に切ってもまとまりがつくのだが、
日本人のような直毛の髪をきれいに整えるには
それなりの技術が必要だという。
それに加えて、私の髪は強くハリがあるので、
下手にすくと押さえが利かなくなり
浮き上がってしまうことになる。

そんな厄介な髪を海外でも安心して任せられるのは、
やはり日本人の髪質をよく知る日本人美容師さんだ。
私が懇意にさせていただいているのは、
コリアンタウンにあるお店の日本人美容師さん。
半年間かけてボリューミーになった私の髪を
いつも見事に(かまやつにせずに)少なくしてくれる。

髪の毛を結ぶゴムは、日本で仕入れてくることが必須だ。
カナダで手に入るものは全く使い物にならない。
(私にとってはゴムではなく、ただの輪になった紐…)
数回ジャンピングジャックでもしようものなら、取れてしまう。
しかし、そんな強力な日本のゴムをしても
500円玉大の太さになる髪をまとめるのが厳しくなってきた今日この頃…
名残惜しいがツタンカーメンともしばしの別れだ。

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