逆上がり

エイジング

とうとう意を決して逆上がりに挑戦した。
散歩の途中にあるちょっとしたエクササイズエリア。
夕方に行くと人っ子一人いなかった。
以前その中の雲梯に挑戦して大きな挫折を味わっている。
子どものころ得意だった雲梯。
英語だと Monkey bar とも言うが、
文字どおりのモンキーにも負けず劣らず
1本抜かしでス~イスィッと渡っていた雲梯。
ところが、スタート地点の一本目にぶら下がっただけで
腕がもげるような感覚に襲われた…

手始めにその雲梯にぶら下がってみたのだが、
心構えがあるせいか、前回ほどの衝撃は感じなかった。
この場所は、子どもも利用してはいるが
おそらく大人のエクササイズ向けに
デザインされているのだと思う。

スタート地点からして、身長160cmの私が
背伸びをして辛うじてバーに手が届く高さだ。
(腕が短いのはご愛敬…)
バーは同じ高さで続くのではなく、
2本目から上に向かってカーブしていく。
スタートで力をためられないのは厳しい。
つま先立ちになって、やっとこさっとこバーを握るので
それだけで力を使い果たしてしまう。
ぶら下がって少し体を振るだけで、今日も退散した。
腕がもげずに身体を前後に振れただけでも前進だ。

そして鉄棒へ。
左側にはアパートや家々が立ち並ぶので、
住人の視線が気になる。(誰も見とらんわっ!!!)
両足を鉄棒にかけて逆さにぶら下がってみたり、
尻上がりをしたりして、まずは軽く体慣らし。
そしてドキドキしながら逆上がりに、いざ挑戦。
頭の中でイメージを膨らませながら足を蹴り上げるが、
見事に失敗。

え”っ、まさか…

2回目も失敗。
自信がしぼんでいく。
そして3回目。回った~~~~っ!!!
最後は腕力で持っていった感も否めないが、何とか成功。
まぐれじゃないことの再確認に、もう1回トライ。
こちらもギリギリ成功。
何とかプライドが傷つかずに済んだ。
調子に乗ってケガでもしたらアホらしい。
成功した満足感で気分がアガッてるうちに引き上げた。

ああ~、もうホッとした。
逆上がりができなかったらショックで寝込んだかもしれない。
一昨年参加したイベント Tough Mudder には、
FUNKY MONKEY という種目があった。
前半は普通の雲梯なのだが、
後半は大きな円形のハンドルが並び、急に難易度が高くなる。
180cmもある大男たちでさえ手が届かずに
後半はことごとく落下しているのを目の当たりにし、
ただでさえ腕が短い私には望み薄と判断。
落下すれば、底の見えない泥水に飲み込まれることになる。
私は泳げないわけではないが水が得意ではない。
水が透明なプールならよかったのだが、
泥水に落ちる勇気がなくスキップした。

”あれが全部普通の雲梯だったら楽勝だったのに…” と
思っていた自分が恐ろしい。
挑戦していたら、雲梯の1本目で落下していたに違いない。
脳に焼き付いている “昔取った杵柄” の残像は
時に残酷なものである。
でんぐり返しといい、雲梯といい、
簡単にできていたことができないもどかしさ。
現実を知った今、
無理のない程度にエイジングと戦うことを地味に決意。
いつかあの雲梯を制覇し、
鉄棒の蹴上がりをマスターしたいとまで思い始めてしまった。
目標は果てしなく高く…ね。

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