新年

日本とカナダでは、新年の感覚が違う。
こちらはクリスマスの方がメインだ。
クリスマス前に友人知人たちとHugしてお別れ。
”Happy Holiday!”や、
”Merry Christmas and happy new year!”というのが
決まり文句だ。
この時点が、1年の締めくくりのような感覚である。

クリスマスホリデーが休暇になっているため、
日本のお正月休みというものが存在しない。
流石に1月1日は祝日だが、
フェスティバル感は薄い。
もちろん、年越しのイベント等は多少あるようだが、
私の周りはいたって静か。
普段と何も変わることなく1日が始まる。

そんな中、今年は旦那の風邪っぴきで幕をあげた。
12/30からちょっと兆しがあった。
軽くはあったが咳をする。
前日にNBAのゲーム観戦に行っており、
「興奮してたくさん叫んだせいだ」と
本人は言っていたが、私は少し疑っていた。
案の定、ほぼ1日中ゴロゴロし、
早い段階でベッドへ。

翌日の朝、普通に朝食をとっていたが、
球のような汗が顔に出る。
完全に「熱」が出ている証拠。
薬を飲んでそのままソファへ。
朝食後は水分しかとらず、
トイレとソファを行ったり来たり。
そんな状態の旦那が夕方に恐るべき言葉を発した。

「これから年越しのイベントに出かける」

ブロマンスの友人がチケットを買っているのだとか。
去年も彼と同じようなイベントに参加していたのだが、
今年も行くとは、今のこの時間まで知らされていない。
出たよ、また情報の小出しかよ。
私はそういう場は好きじゃないので
誘ってくれなくて問題ないのだが、
なんで情報を流さない?

私は、もちろん止めた。
「咳程度なら行ってもいいが、
あんた熱あんのよ。」と言っても
「気分はよくなってるから大丈夫だ」と言ってきかない。

なんでも友人に貸しがあるし、
(前日のNBAのチケットは彼のおごり)
彼を一人にはできないと、
かたくなに私の静止を振り払おうとする。
一応共通の友人に、
チケットを譲ろうと画策はしたらしいが断られ
自分が絶対いかなきゃと意固地になってしまっていた。

風邪をひくと
恐ろしくWimpy(最強の弱虫)になるのだが、
今日は珍しく静かだったのはこのせいか。
夜に外出する予定があったので
問題ないフリを頑張って演じていたわけだ。

熱がある状態で
人混みの中に身を投じるなんて
そんな危険がどこにある?
免疫が下がっている体は
ちっさな細菌にだって勝てない。
後々あなたが苦しむのは勝手だが、
正直、変な菌をを家に持ち帰られるのは
まっぴらごめんだ。
私自身、少し咳が出始めているというのに…

流石に最後の言葉は口にはしなかったが、
使命を果たさなければという
妙なアドレナリンが出て
自分の状況を理解できていない旦那に
現在の体調をコンコンと説明し
キャンセルすることをすすめたが、
それでも行くというのなら仕方ない。
私は自分の夕飯の準備を始めた。

すると…
食べ物のかすかなニオイが
旦那のアドレナリンを打ち負かした。
私のクリスマスと一緒…)
急に気持ち悪くなりだしトイレへ。
吐くものもないのだが、嘔吐。

このおかげで我に返った旦那。
一気に寒気も襲ってきたようで、
友人に断りのメッセージをおくり
早々にベッドへと向かった。

こんな体調で、
年越しのダンスイベントに行こうなどと
どこの誰が思うのか?
家を出てしまう前に気づけて幸いだった。
もし行ってしまっていたら、
新年早々、
最強のWimpy boyが登場していたに違いない。

私も咳が出始めている。
前途多難を予想させる新年の幕開けだ。

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