別れは突然やってくる。
友人のお母様が他界した。
お母様の年齢は91歳。
年齢だけを見れば、
長寿の部類に入るかもしれない。
ただ、ついこの間
年末の帰省で元気な姿を見てきたと
言っていたばかりなのに…
その時に撮ったという写真には、
とてもお元気そうな姿がおさまっていた。
秋ごろに感染したコロナも
ものともせず、
まだまだ活力にあふれていた人の命が
突然幕を閉じてしまったことに、
驚きを通り越して呆然とするばかりだ。
私が日本へ発った3日後には、
その友人夫婦も
バケーションに発つことになっていた。
「いい旅を!」とメッセージをくれた彼女に、
私も「あなたたちもね!」と返事をしていたのだが、
私の知らないところで事態は急転。
出発当日に緊急の電話を受けた彼らは、
すべて夏物を詰めていたスーツケースに
冬物を詰め替え、
彼女の故郷east coastへ向かうことになったという。
お母様は暮らしていた施設内で転倒。
それが引き金で発作を起こし、
結果的にその脳出血に命を奪われてしまったそうだ。
年末に撮ったお母様の写真には、
102歳の親戚の方も一緒に写っていた。
お元気そうな2人が並んで座り
上品な笑みを浮かべていた姿を
私もうっすらと覚えている。
人の命とは奇妙なもので、
なんとその方も
後を追うように亡くなったのだそうだ。
2週間で2つの葬儀を執り行うという
とんでもなく大変な月になった1月。
不幸中の幸いは、
連絡が飛行機に乗ってしまう前だったこと。
バランスを崩して転倒することは、
想像に難くないことだったと彼女は回想する。
哀しみがないわけはない。
それでも、きちんとお別れができたことは
何よりも心の安定を保ってくれるに違いない。
”転倒”
私も自分の親に対して常々気にしていることだ。
決して他人ごとではない。
いつまでも元気でいて欲しい。
ただ、頭の片隅で
きちんと心の準備をしておかなければ…と
肝に銘じる2月の始まりである。
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