私は虫が嫌いだ。
思い返せば、子どもの頃から嫌いだった。
キャ~っという黄色い声を出すタイプではないが、
(どちらかと言えば、ドスのきいた驚きの声を上げる)
出来れば遭遇するのは遠慮したい。
バッタやカマキリはもちろん、
蝶々やトンボでさえ触れたいとは思わなかった。
小学校3年生くらいの時に引っ越した家の庭には、
小さなカエルが生息していた。
母は「あら、かわいい」なんて言って
手のひらに乗せていたが、
私は全力で拒否ったのを覚えている。
(ああ、昭和の自然の響き…
今の時代も見かけるのだろうか?)
母も決して虫好きではないが、
私よりは許容範囲が広いように見受けられる。
当時、知り合いの息子君(私より結構年下)が、
カブトムシを入れた箱を持って家にやって来た。
「捕まえたんだ」と誇らしげな息子君。
「どれどれ」と一応興味のあるふりをして
フタを開けて固まった。
ティッシュ箱より少し大きいくらいの箱に
所せましとうごめく5、6匹の黒い物体。
「かっこいい!」と興奮する息子君を尻目に、
全身の毛が逆立つのを感じ
さらにはカブトムシが発する
独特なニオイにめまいさえ覚え、
そっとフタを閉めた。
それ以来、カブトムシも”無理”である。
春になると色々な生き物が動き出す。
生命の息吹とは尊いものであるが、
虫嫌いにはあまりうれしくない。
すき間だらけの古いアパートには、
色々な虫が入り込む。
私たちが移り住む前から住んでいたであろう
この家の主たちもいる。
クモ、ゲジゲジはその類か。
入居早々、2匹のクモが天井にいるのを見かけた。
数日後?には1匹の大人の周りに無数のチビクモが…
うちに生息するクモはほっそい手足?を持つ種類で
それほど気持ち悪くないので助かっているが、
あの数のチビたちが成長したらと思うと
気絶しそうになる。
彼らの方がこの家の居住期間は長いかもしれないが、
今は私たちの家であって、
お情けで引き続き住まわせてあげているが、
繁殖の許可を出した覚えはない。
ということで、丁重にご退出を願い出た。
そんなこんなで、
毎年入れ替わり立ち代わり
虫たちとの新たな闘いを繰り広げている。
アリとの闘いは記憶に新しい。
今もまだ予断は許さないが
ひと段落した感はある。
そしてこれも
1、2年前あたりから出没し始めたのだが、
今月に入って勢いを増している虫がいる。
全長2cmくらいの黒い虫で背に赤い斑点がある。
こやつも突然降って湧く。
窓や戸を開けていないのにどこからか入り込み、
いつの間にか庭に面したガラス窓をうろついている。
最近は飛び始めた。(ケンカを売るつもりか?)
一難去ってまた一難。
心休まる日はやってくるのだろうか…
春の訪れ

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